妻の先祖・竜泉家の人々が殺害され、その後の土砂崩れで一族のほとんどが亡くなった「死野の惨劇」の真相の解明が、瀕死の妻の命を救う。1960年にタイムトラベルした加茂は、閉ざされた館の中で起こる犯罪を暴けるのか!?
瀕死の妻のために謎の声に従い、2018年から1960年にタイムトラベルした主人公・加茂。妻の先祖・竜泉家の人々が殺害され、後に起こった土砂崩れで一族のほとんどが亡くなった「死野の惨劇」の真相の解明が、彼女の命を救うことに繋がるという。タイムリミットは、土砂崩れがすべてを呑み込むまでの4日間。閉ざされた館の中で起こる不可能犯罪の真犯人を暴き、加茂は2018年に戻ることができるのか!? “令和のアルフレッド・ベスター”による、SF設定を本格ミステリに盛り込んだ、第29回鮎川哲也賞受賞作。
本書は、SF設定をうまく活かした本格ミステリ。物語は、タイムスリップをして妻の死因につながる一族の悲劇を阻止しにいくというSFミステリで、特に中盤からラストにかけての展開は非常に良かったです。
【満足度】 ★★★★