相続鑑定士の三津木六兵の右肩には、頭脳明晰な人面瘡のジンさんが寄生している。山林王の当主が亡くなり、相続人が次々に不審死を遂げた。ジンさんの指示を受け事件を追う六兵が辿り着いたのは…。『きらら』連載を加筆改稿。
相続鑑定士の三津木六兵の右肩には、人面瘡が寄生している。六兵は頭脳明晰な彼を“ジンさん”と名付け、何でも相談して生きてきた。信州随一の山林王である本城家の当主が亡くなり、六兵は遺産鑑定のため現地に派遣される。二束三文だと思われていた山林に価値があると判明した途端、色めき立つ一族。まもなく長男が蔵で、次男が水車小屋で、と相続人が次々に不審死を遂げていく。これは遺産の総取りを目論む者の犯行なのか? ジンさんの指示を受けながら事件を追う六兵がたどり着いたのは、本城家の忌まわしい歴史と因習深い土地の秘密だった。限界集落を舞台に人間の欲と家族の闇をあぶり出す圧巻のミステリー。
物語は、相続鑑定士である主人公の右肩に人面瘡が寄生し、その人面瘡をジンさんと名付けて、一緒に事件を解決していくというミステリ。発想としては面白いものの、登場人物の個性が薄く、展開やラストもイマイチで、やや期待ハズレの一冊でした。
【満足度】 ★★★