2020年12月23日

『死神の棋譜』奥泉 光




 名人戦の夜、不詰めの図式を拾った男が姿を消した。北海道の廃坑から地下神殿の対局室まで、消えた棋士の行方と魔の図式の謎を追う旅が始まる…。前代未聞の将棋ミステリ。『小説新潮』連載を単行本化。

 死神の刃の下で駒を凝視する男の行方は……。圧倒的引力で読ませる将棋ミステリ。……負けました。これをいうのは人生で何度目だろう。将棋に魅入られ、頂点を目指し、深みへ潜った男は鳩森神社で不詰めの図式を拾って姿を消した。彼の行方を追う旅が始まったが……。北海道の廃坑、幻の「棋道会」、美しい女流二段、地下神殿の対局、盤上の磐、そして将棋指しの呪い。前代未聞の将棋エンタテインメント。

 本書は、棋士の極限の心理と、奇妙な詰め将棋の図式を核に、謎がまた謎を呼んでいくスリルを描いた将棋ミステリ。将棋棋士になれなかった奨励会員たちが、すでに存在を消した棋道会という将棋の地下組織と絡んで失踪し、その謎を追っていくストーリーですが、現役の棋士が実名で登場し、実際のタイトル戦も登場するので展開にも引き込まれ、それに「死神の棋譜」というフィクションを絡めた奥の深いミステリでもありました。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 18:38| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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