2021年03月05日

『灯台からの響き』宮本 輝

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灯台からの響き [ 宮本 輝 ]
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 本の間から、亡き妻宛てに30年前に届いたハガキを見つけた康平。そこに描かれていたのは、海岸線と灯台のように見える線画。妻の過去を知るために、康平は灯台を巡る旅に出る…。『北日本新聞』ほか掲載を単行本化。

 板橋の商店街で、父の代から続く中華そば店を営む康平は、一緒に店を切り盛りしてきた妻を急病で失って、長い間休業していた。ある日、分厚い本の間から、妻宛ての古いはがきを見つける。30年前の日付が記されたはがきには、海辺の地図らしい線画と数行の文章が添えられていた。差出人は大学生の小坂真砂雄。記憶をたどるうちに、当時30歳だった妻が「見知らぬ人からはがきが届いた」と言っていたことを思い出す。なぜ妻はこれを大事にとっていたのか、そしてなぜ康平の蔵書に挟んでおいたのか。妻の知られざる過去を探して、康平は旅に出る……。市井の人々の姿を通じて、人生の尊さを伝える傑作長編。

 本書は、東京・板橋の商店街で長年一緒に中華そば屋を切り盛りしてきた妻・蘭子に先立たれた62歳の男・牧野康平を主人公に、生きる気力を失ってしまった主人公が、ふとしたきっかけで灯台を巡る旅をする中で、自身の人生を振り返り、家族との関係、近所の幼馴染みや友人たちとの関係を見つめ直し、ゆっくりと自分を取り戻していく…という、初老に差しかかった男の「再生」の物語です。深みのある物語となっており、著者の作品は久々に読みましたが、主人公の再生物語であると同時に、素敵な家族愛が描かれた作品です。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 17:43| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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