人気絶頂のさなか、ホテルの部屋で死体となって発見された天才ギタリスト。時を経てその被疑者に浮上したのは、同じバンドの元メンバーだった。美しい旋律に掻き消された慟哭の真相とは…? 『小説幻冬』連載を加筆・修正。
コカイン所持で逮捕された男の暴露によって、19年前の事故を、殺人事件として再捜査することになった。当時人気絶頂のさなか、ホテルの部屋で死体となって発見されたギタリスト・鈴村竜之介。時を経て、その被疑者に浮上したのは、鈴村と同じバンドの元メンバーで、今はソロとしてブレイクしている木宮保だった。事故死か、殺人か、それとも……? 当時の関係者を回り、執念の捜査を進める二人の刑事たち。音、絆、女、薬……あの日、あの部屋で、何があったのか。やがて狂騒の真実が白日の下にさらされる!
本書は、19年前にホテル風呂で死亡したロッカーの真相を追求する物語。ミステリ色が薄く、ロックバンドの人間関係が中心に描かれる作品でもあったことから、音楽ミステリとしてはやや期待ハズレではありましたが、音楽業界に生きる人間のドラマとしてはそれなりに良かったです。
【満足度】 ★★★