2018年10月22日

『一日の苦労は、その日だけで十分です』三浦綾子

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一日の苦労は、その日だけで十分です [ 三浦 綾子 ]
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 人間の罪、弱さ、ゆるしを描き続けた作家が遺した、愛にあふれる言葉の数々。知人や北海道のことから、恋愛と結婚、がん告知からの生き方、信仰についてまでを綴る。単行本未収録のエッセイを中心にまとめたもの。

 人間の罪、弱さ、ゆるしを描きつづけた作家・三浦綾子が遺した愛にあふれる言葉の数々。「冬のあとに春の来ない人生もある」「人生には往々にして意地悪がひそんでいる」と書きながらも、「なるようになる。なるようにしかならない」「一日にできる仕事は、量が決まっている。明日のことは心配しない」と道を照らす。自らの病気も苦難も「すべてが神様の贈り物」であるとあるがままに受け入れ、その恵みに感謝の念をも抱く。でも、だからといって「病気に協力することはない」と、前向きに自分の人生を生きることを考える……。深い信仰に根ざしたその生き方から浮かび上がるのは、“愛”と“感謝”と“学び”の心。大上段に振りかざすのではなく、自身のいたらなさや苦い体験にも触れながら、弱い立場の人々や道に迷う若者たちに温かいまなざしを向け続ける。その思い、時を経ても色あせない言葉は、私たちが一日一日を大切に積み重ね、より良い人生を歩むための指針となるに違いない。没後20年を前に届けられた、やさしさに満ちた最後のエッセイ集。

 本書は、一般紙や有名雑誌だけでなく地域PR誌や医療、宗教、茶道系機関誌など、さまざまな媒体に寄稿した文章を集め、著者の没後20年を前に発行されたエッセイ集。作家・三浦綾子の作品は、ほぼ全て読んでいますが、僕自身の価値観や人生観について、一番影響を受けた作家です。クリスチャンとして聖書に基づいた生活をし、数多くの愛を与え続けた三浦綾子氏ですが、未収録の作品を読むことができ、ファンの一人として再び感銘を受けました。夫婦愛、他者への愛は見習うべきものが多く、改めて三浦文学を読み直そうと思います。

【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
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2018年10月21日

『「売る」から、「売れる」へ。 水野学のブランディングデザイン講義』水野 学




 クリエイティブディレクター水野学が、デザインの視点やものの考え方を、事例を通して伝える。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスにて行われた講義「ブランディングデザイン」のうち、主要な4回の講義内容をもとに書籍化。

 いまの時代に、どうすれば「長く売れつづける」のか……。あらゆるビジネスパーソンが抱えるこの課題をデザイン視点から解決する、慶應義塾大学の名物講義「ブランディングデザイン」がついに書籍化。「中川政七商店」「茅乃舎」「東京ミッドタウン」「相鉄」などでコンサルタントとしても活躍するクリエイティブディレクターの水野学が、ビジネスや経営における「デザインの正しい使い方」をわかりやすく解説した1冊です。

 本書は、著名なクリエイティブディレクターでもある著者が、慶應義塾大学での講義内容を書籍化したもので、講義の形式でまとめられているだけに、実際に講義に参加しているようで、ブランディングデザインについて、とても分かりやすく説明と解説をしてくれています。「センスは蓄積された知識を最適化すること」というのは、妙に納得しましたし、クリエイティブなセンスがいかに大切かという内容はワクワクしながら読むことができました。講義内容も至ってシンプルで、「すべての見え方のアウトプットのコントロールをすること」なども自己流で色々と試していたことでもあっただけに、素晴らしい学びとなった一冊です。

【満足度】 ★★★★☆
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2018年10月20日

『雨降る森の犬』馳 星周

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 家族とのわだかまりを抱えた中学生の雨音は都会を離れ、蓼科に住む伯父のもとに身を寄せる。そこには、ワルテルという犬がいて…。犬が導く喪失と再生の物語。『小説すばる』連載を加筆・修正。

 父親を病でうしない、母親との確執を抱えた女子中学生の雨音(あまね)は不登校になり、山岳写真家の伯父・道夫のもとに身を寄せた。道夫はバーニーズ・マウンテン・ドッグのワルテルとともに自前のログハウスに住んでいた。ログハウスの近くには大きな別荘があり、雨音はそこの持ち主の長男で高校生の正樹と知り合う。正樹は再婚した父親と若い母親に対して、複雑な感情を抱えていた。雨音と正樹は道夫の影響で登山の魅力を知るようになり、道夫の愛犬ワルテルと自然との触れ合いが、二人の心を少しずつ癒していく。家族の問題を抱えた中学生と高校生が、道夫とワルテルと過ごすなかで自らの生きる方向性を見出していく、心に響く長編小説。

 本書は、短編集『ソウルメイト』『陽だまりの天使たち ソウルメイト2』に続く、犬と人との絆を描いた長編小説。長野を舞台に、山岳小説としても読むことができる物語でもありましたが、家族・友人・犬との出会い、そして山を登ることで人生を考え、苦しさの先に開ける眺望と再生についてを、信州の自然と山を背景に犬と家族の物語として、とてもいい物語でした。

【満足度】 ★★★★
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2018年10月19日

『無暁の鈴』西條奈加

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 寒村の寺に預けられた武家の子・久斎は、手ひどい裏切りにあい寺を飛び出す。盗みで食い繋ぐ万吉と出会った久斎は「無暁」と名乗り江戸に向かい…。若き僧の成長と、破天荒な生涯を描いた時代小説。『小説宝石』連載を書籍化。

 武家の庶子でありながら、家族に疎まれ寒村の寺に預けられた久斎は、兄僧たちからも辛く当たられていた。そんななか、水汲みに出かける沢で出会う村の娘・しのとの時間だけが唯一の救いだったのだが……。手ひどい裏切りにあい、信じるものを見失って、久斎は寺を飛び出した。盗みで食い繋ぐ万吉と出会い、名を訪ねられた久斎は“無暁”と名乗り、ともに江戸に向かう……波瀾万丈の人生の始まりだった。

 物語は、武家に生まれ寺に預けられた無暁が即身仏になるまでの波乱万丈な人生を描いた作品。主人公の破天荒かつ波乱万丈の生涯が描かれる作品ではありますが、即身仏についてが描かれるだけに、どうしても後半は仏教色が強くなっているため、作品としては壮大な物語ではあり、読み応えはあるものの、エンタメとしては今ひとつという感じです。

【満足度】 ★★★
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2018年10月18日

『文房具の解剖図鑑』ヨシムラマリ/トヨオカアキヒコ

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 なぜ、使いやすいのか? 鉛筆、消しゴム、ボールペン、ノート、スケッチブック、カッターナイフ…。普段使いの文房具の仕組み・形・生い立ちを、楽しくわかりやすい豊富なイラストとともに解説する。

 雑誌の文房具特集を開けば、アイデアステーショナリーや、デザイン性の高いプロダクト、高級ブランド品などの情報は数多目にしますが、普段使いの文房具の本質や構造、歴史を紹介した本はなかなか見当たりません。本書ではそれら身近にある文房具の「仕組み」「仕掛け」「物語」をユーモラスなイラストで徹底図解!!もちろん誰もが知っている定番品から、最新の技術や素材を使った優れモノまで、実際の製品が多数登場。文房具を使うすべての人が楽しめる1冊です!!

 本書は、文房具の仕組み、形、生い立ち、使い方を、楽しく分かりやすい豊富なイラストと共に図解で紹介したもの。文房具のエピソードなどは知っていることが多く、目新しさは特に感じず、解剖図鑑というタイトルから、かなり細かな内容を期待していただけに、内容的には物足りなかったです。

【満足度】 ★★★
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2018年10月17日

『ポストカプセル』折原 一

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 ラブレターが、遺書が、脅迫状が、礼状が、文学賞の受賞通知が、15年遅れで届いたら? 心温まるはずの善意の企画の裏に、驚愕の真相が…。騙りの名手によるミステリー。『小説宝石』掲載に書下ろしを加えて単行本化。

 市川大輔は取引先の受付嬢である片岡有美に結婚を申し込むべく、意を決して手紙を書いた。指定した時間に待ち合わせの場所に行ったのだが、有美は現れず、たまたまそこに居合わせた同僚の武藤奈々子と食事に行き、なるようになってしまった。一方、手紙を受け取った有美は、指定の時間に待ち合わせ場所に行ったのだが、市川は現れなかった。それもそのはず、有美が手紙を受け取ったのは、15年後のことだったのだ……。

 本書は、連作となっているミステリ集で、結婚を申し込み返事を聞くために会う日時、場所を伝える手紙、人を殺して自殺するという遺書、脅迫状や文学賞受賞通知など、それぞれの受取人、送り主の戸惑い、喜怒哀楽と歳月の重みが織りなす人間模様が描かれる叙述ミステリ集。一見、それぞれの短編集と思いきや、線で繋げるのは著者らしい叙述ミステリでもあり、ラストまでの展開も折原ワールドといえる独特の展開で、二転三転するトリックも楽しめました。

【満足度】 ★★★★
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2018年10月16日

『滅びの園』恒川光太郎

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 突如天空に現れた〈未知なるもの〉、地上に増殖しつづける不定形生物・プーニー。災害対策本部が結成されるが、大規模火災が起こり…。混迷を極める世界を救うのは? 『幽』掲載に加筆・訂正し書き下ろしを加えて単行本化。

 いつの間にか、絵本のような町に迷い込んだ鈴上誠一。その町で妻と出会い、娘にめぐまれ、平穏な日々を送っていたが、ある日一通の手紙を受け取る。そこには、想像を絶するような地球の惨状が記されていた。突如天空に現れた〈未知なるもの〉、地上に増殖しつづける不定形生物・プーニー。災害対策本部が結成されるが、大規模火災により大阪の三分の二は焼失。混迷を極める世界を救う鍵を握るのは、〈未知なるもの〉の内部に浮かぶ男、鈴上誠一だった……。

 物語は、SF・ファンタジー・ホラー・幻想あり……と説明するのも難しい作品ですが、異界と謎の生物に脅かされる地球という、ギャップの激しい二つの世界で、それぞれの存亡の危機が描いた作品。独特の世界観はとても面白く、何が正義で何が希望なのかを作品でうまく表現しています。

【満足度】 ★★★★
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2018年10月15日

『日本人の道徳心』渡部昇一

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 世界に通用する、日本独自の心のあり方とは? 戦前、日本の子供たちの徳を育んできた「修身」の中身を紐解きながら、今日の道徳教育のあり方や日本人の心得を考察する。DHCテレビジョン「平成の修身」をもとに書籍化。

 今、日本から道徳や倫理、さらにはマナーやモラルといったものが著しく欠けていっている。このような状況を危惧してか、文科省が「道徳」の授業を義務教育において教科化するという。しかし、小学校や中学校で道徳の授業が教科化されたからといって、日本の古き良き道徳観をすぐに取り戻せるとはとても思えない……。「今の教育の間違いは、子供に理屈を言うこと」…。“芯”のなくなった日本社会へ最後の提言、著書渾身の道徳論!

 本書は、CS放送の番組で、著者が戦前の修身教科書の記述の解説した内容をまとめたもの。短く章分けをしていて、文章も読み易く、タイトルでもある『日本人の道徳心』について、道徳教育のあり方や心得を考察しています。道徳は勿論のこと、修身についても分かりやすく書かれており、現代社会の中で倫理観やモラルも失われつつあるように思うことも多く、家族が子どもに対して道徳を教えることが少なくなっているだけに、個人的には道徳教育の必要性は強く感じますし、古き良き価値観を取り入れることの大切さも取り入れてほしいものです。

【満足度】 ★★★★☆
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2018年10月13日

『どうぶつのおちんちん学』浅利昌男

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 どうぶつによってずいぶん違うおちんちんの形状と機能。勃起・射精・交尾行動も千差万別。身近などうぶつたちのおちんちんの奥深さに、獣医解剖学・繁殖学などの専門家が、アカデミックに楽しく迫る。

 思わずタイトルだけで興味本位で読んだ本ですが、獣医解剖学・繁殖学の専門家の著者が監修して、専門的かつ分かりやすく紹介しています。動物生態学として面白くかつ、知らなかったことが多かっただけに、生物の進化についてや、形状や機能についても興味深かったです。

【満足度】 ★★★★
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2018年10月12日

『特権キャリア警察官 日本を支配する600人の野望』時任兼作




 日本社会に巨大な情報力と実行部隊を抱える「警察庁」が今変容し、劣化しつつある。有能、かつ万能とされる警察キャリアの「出世の階段」、人事をめぐる暗闘、都道府県警察の罪と罰、伝説と栄光のキャリア官僚などを紹介する。

 全国47都道府県、30万人の警察官を指揮する「頂点の600人」=警察キャリア官僚。「踊る大捜査線」シリーズで言えば柳葉敏郎演じる室井慎次だ。東大、京大など超一流大学を卒業し、難関の「国家公務員総合職」試験を突破し、選び抜かれた十数名だけが採用されるエリート中のエリート。都道府県警の捜査二課長など要職を歴任し、県警トップなどを経て、一握りの者が警視総監、警察庁長官のポストにたどり着く。そのエリートたちの仕事ぶり、年収、待遇、天下り先、出世の階段など赤裸々な実態を初めて明かす。さらに、ここ数年続発する警察キャリアの女性問題、株取引、大量に流布された怪文書など、目を覆うような不祥事。「実働部隊」となる全国30万人の現場警察官から吸い上げる膨大な情報をもとに、首相官邸など政府中枢でますます大きな権力を握り、「日本を支配する」とまで言われる警察官僚はいま、どこへ向かっているのか。

 本書は、警察組織において特権的な存在である「警察庁キャリア」の実像を詳述したノンフィクション。人事に関することが中心で、組織の図式は分かりやすいものの、もう少し警察官僚の実情を掘り下げてほしかったです。

【満足度】 ★★★
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2018年10月11日

『大東建託の内幕 “アパート経営商法”の闇を追う』三宅勝久




 契約を取るために犯罪に手を染める社員。成果主義に追い詰められて続発する自殺…。新聞・テレビが伝えない大東建託の不正義を、日本各地を歩いて丹念に拾い上げる。ニュースサイト『マイニュースジャパン』掲載を元に書籍化。

 足掛け9年、新聞・テレビが伝えない大企業の不正義を、日本各地を歩いて丹念に拾い上げた渾身のルポルタージュ! “一括借り上げ(サブリース)で資産運用”の甘い罠。「こんなはずではなかった」と苦しむアパート経営者たち。契約を取るために犯罪に手を染める社員、パワハラが横行する職場、成果主義に追い詰められて自殺事件が続発……。“いい部屋ネット”の大東建託で何が起きているのか。

 本書は、タイトルそのままに「大東建託の内幕」を見事に書いたノンフィクション。アパートを建てて一括で借り上げるという賃貸建設管理業の最大手・大東建託株式会社で、社員の自殺が相次いでいるという記事は読んだことがありましたが、その内幕は「いい部屋ネット」の宣伝文句から受ける好印象とは裏腹の陰惨な実態が浮かび上がっています。不動産業界の闇の部分を見事にまとめ、サブリースの実態についても、鋭く事実を拾い上げています。おそらく絶版本になるのではないか?と思えるほど、その内幕の実態が明かされていますが、この事実をまとめた著者と出版社には敬意を表します。

【満足度】 ★★★★☆
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2018年10月10日

『ディス・イズ・ザ・デイ』津村記久子

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ディス・イズ・ザ・デイ [ 津村記久子 ]
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 ファンたちはそれぞれの思いを抱いて最後の試合の「その日」に向かう。人間関係に悩む会社員、再会した祖母と孫…普通の人々のかけがえのない喜びを、サッカーを通して鮮やかに描き出す連作短編集。『朝日新聞』連載に加筆。

 「こういう話をしてるとさ、どんな気持ちでも生きていけるんじゃないかって思うよね」。サッカー22チームの22人のファンたちは、それぞれの思いを抱いて2部リーグ最後の試合の「その日」に向かう。職場の人間関係に悩む会社員、別々のチームを応援することになった家族、憧れの先輩に近づきたい男子高生、十数年ぶりに再会した祖母と孫など、普通の人々のかけがえのない喜びを、サッカーを通して鮮やかに描き出す連作短編集。

 本書は、架空の全22チームで競うプロサッカー2部リーグの各スタジアムに集う、様々な人々を活写した群像劇。熱心なサポーターだったり、そうでもなかったりと、チームとの関わりかたはそれぞれですが、サッカー愛が伝わる作品で、読後に思わず心が温まる作品でした。

【満足度】 ★★★★
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2018年10月09日

『玉村警部補の巡礼』海堂 尊

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玉村警部補の巡礼 [ 海堂尊 ]
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 「チーム・バチスタ」シリーズの加納警視正と玉村警部補が難事件に挑む! 四国であがる犯罪者たちの水死体。八十八カ所巡礼の行方は? 「『このミステリーがすごい!』大賞作家書き下ろしBOOK」掲載に書き下ろしを追加。

 累計1000万部突破『チーム・バチスタの栄光』シリーズに登場する“加納&玉村”コンビが、お遍路道中で難事件を解決! 休暇を利用して八十八箇所を巡拝する四国遍路に出た玉村警部補。しかし、なぜか同行してきた警察庁の加納警視正と、行く先々で出くわす不可解な事件に振り回され……。軽やかに跳躍する海堂ワールド、珠玉のミステリー4編。「阿波 発心のアリバイ」お遍路の道中に遭遇した賽銭泥棒事件。加納警視正は容疑者となった女の無実を証明できるのか。「土佐 修行のハーフ・ムーン」10年前に起きた政治家秘書不審死事件の容疑者には、鉄壁のアリバイが存在した……。「伊予 菩提のヘレシー」蚊を信仰する寺で発見された不審死体。事件性はないかに思われたが、加納はAiの実施を主張する。「讃岐 涅槃のアクアリウム」讃岐のひょうげ祭りに爆破テロ予告が! しかし、その背後には巨大な闇組織の暗躍があった……。

 本書は、『チーム・バチスタの栄光』シリーズの「加納&玉村」コンビが、お遍路道中で4つの難事件に遭遇する珍道中ミステリ。『チーム・バチスタの栄光』シリーズとしては、やや物足りなさはあったものの、お遍路の情報も交えて読みやすいミステリでした。

【満足度】 ★★★☆
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2018年10月08日

『樽とタタン』中島京子

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樽とタタン [ 中島 京子 ]
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 学校帰りに毎日行った赤い樽のある喫茶店で、愛の不平等や孤独、死後の世界やしもやけの治し方などについて、「タタン」と呼ばれた私が大人たちから学んだ9つの話。『小説新潮』『yomyom』掲載を書籍化。

 小学校の帰りに毎日行っていた赤い樽のある喫茶店。わたしはそこでお客の老小説家から「タタン」と名付けられた。「それはほんとう? それとも嘘?」常連客の大人たちとの、おかしくてあたたかな会話によってタタンが学んだのは……。心にじんわりと染みる読み心地。甘酸っぱくほろ苦いお菓子のように幸せの詰まった物語。

 本書は、お客の老小説家から「タタン」と名付けられた少女と、その喫茶店に訪れる人々の物語を描いた9編から成る連作短編集。タタンと呼ばれる少女と、喫茶店のマスターや常連客との人間模様が描かれる作品で、独特の世界観で、昭和の喫茶店を舞台に思い出としての人間ドラマとなっていますが、主人公の子ども目線での感じ方、その喫茶店で聞こえる大人の会話などから、刺激的に感じるタタンの大人との交流が、心温まる話が多く、読後もほのぼのとする作品でした。

【満足度】 ★★★★
ラベル:樽とタタン
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2018年10月06日

『生命進化の偉大なる奇跡』アリス・ロバーツ

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生命進化の偉大なる奇跡 [ アリス・ロバーツ ]
価格:2052円(税込、送料無料) (2018/10/6時点)

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 人類の体はどのように進化して、現在のようなかたちになったのか? この進化ははたして“正常”なものだったのか? 遙かな時間をさかのぼり、私たちの体に刻まれた進化の歴史をひもとく。

 BBCの伝説的なドキュメンタリーを書籍化した『人類20万年 遙かなる旅路』で話題となった、イギリスの大人気人類学者アリス・ロバーツの最新刊。自身の妊娠を機に、ヒトの発生に改めて驚愕したアリスが、1個の受精卵がひとりのヒトに成長するプロセスを進化と発生の側面から、具体的かつ明解に語る。そして本書では、私たち自身の身体構造を探り、進化上の過去の祖先や、先駆的な科学者たちにも出会う。私たちのだれもが、1個の細胞から、全部でおよそ100兆個に及ぶ細胞からなる複雑な生物に至る、「旅」を経験している。この話の主人公は「あなた」だ。アリスと一緒に、私たちの体に刻まれた生命進化の歴史をたどる旅に出かけよう。

 本書は、人類進化の中でも、特に解剖学・発生学を中心としたサイエンス・ノンフィクション。受精卵という一個の細胞がヒトへと成長を遂げる「奇跡」としか言いようがない事象の背後にある具体的なプロセスと、どのような歴史の上に我々の手が、足が、肺が、脳が、腰が、形作られてきたのか、それは元を辿ればどんな生物からの遺伝なのか……いう生命進化の軌跡を辿る壮大かつ偉大なる奇跡への生命の旅がまとめられています。

【満足度】 ★★★★
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2018年10月05日

『せつない動物図鑑』ブルック・バーカー

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せつない動物図鑑 [ ブルック・バーカー ]
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 トカゲは自分のしっぽを食べる、シマウマはひとりで寝られない、カバは好きな子におしっこをかける、アリが寝るのは1日に16分間だけ…。動物たちの「せつない真実」をイラストとともに紹介する。

 著者は幼いころから動物好きで、本を読んだり絵を描いたりしつづけてきました。そのうち、しだいに彼らの「せつない」側面に愛おしさを感じるようになったんだとか。その独特の世界観を、短い見出しとかわいいイラストで表現したのが本書です。ゆる〜いイラストに「ほんとかよ!?」と、つい突っ込みたくなるような112の見出し、そして意外とためになる解説に、子どもから大人まで、ページをめくる手が止まらなくなります。

 本書は、色々な動物の、ちょっと切なく、何となく微笑しい生態が、とても魅力的なイラストと、見事な見出しで表現されています。「コウテイペンギンは家族の顔がわからない」「シマウマはひとりで寝られない」「チョウは足で味を感じる」……など、誰かに思わず話したくなるネタが満載で、動物の意外な習性が興味深く、子どもでも分かりやすい動物図鑑です。

【満足度】 ★★★★
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2018年10月04日

『人口減少社会の未来学』内田樹ほか

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人口減少社会の未来学 [ 内田 樹 ]
価格:1728円(税込、送料無料) (2018/10/4時点)

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 21世紀末の総人口は6000万人と推計されている日本。社会のかたちはどう変わってゆくのか。それに対して何ができるのか。何をなすべきか。11人の論者が人口減少社会に起きると予測される出来事と、対処法を論じる。

 21世紀末、日本の人口は約半数に……。人口減少社会の「不都合な真実」をえぐり出し、文明史的スケールの問題に挑む“生き残るため”の論考集。各ジャンルを代表する第一級の知性が贈る、新しい処方箋がここに。

 本書は、これからの人口減少社会の未来について、様々な視点からの知見をまとめた本を編みたいという内田樹氏の呼びかけに、10人の論客と内田氏が様々な視点と立場から人口減少を論じたもの。多彩な意見が多く、考えさせられる内容は多かったですが、こうした将来についての議論は、全国各地の自治体でも、地域住民を交えて真剣に取り組んでもらいたい課題であると思いますし、今後起こりうる問題に対して、予め手を打つことの大切さも本書では書かれていますが、だからこそ他人事として考えるのではなく、地域も巻き込んだ社会問題として全国でも取り組む大きな課題であると、改めて感じました。

【満足度】 ★★★★
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2018年10月03日

『自分の頭で考えたい人のための15分間哲学教室』アン・ルーニー




 ソクラテス、プラトン、ニーチェ…。歴史を彩る「知の巨人」たちはどんな問題意識をもち、何を語ってきたのか。哲学の基本的な考え方をトピックスごとにまとめた哲学の入門書。

 本書は、様々な哲学の問いが、サラリと分かりやすく書かれた哲学入門書。哲学についてがまとめられた雑学的な内容でもあり、分かりやすくて、哲学のツボが押さえられているので、哲学に触れたい人は読むと面白いかも。

【満足度】 ★★★
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2018年10月02日

『世界からバナナがなくなるまえに 食糧危機に立ち向かう科学者たち』ロブ・ダン




 人間が生きる上で欠かすことのできない主食作物が、同時多発的な病原菌や害虫の猛威に襲われたとき、食卓はどうなってしまうのか。大規模なアグリビジネスがもたらした悲劇、作物壊滅の危機に立ち向かう科学者の軌跡をたどる。

 米、小麦、砂糖、トウモロコシ、豆、ジャガイモ、ヤシ油、大麦、キャッサバ、ピーナッツ……人間が生きるうえで欠かすことのできない主食作物が、同時多発的な病原菌や害虫の猛威に襲われたとき、わたしたちの食卓はどうなってしまうのか。大規模なアグリビジネスがもたらした悲劇、作物壊滅の危機に立ち向かう科学者の軌跡をたどりながら、いまわたしたちにできることは何か、考える。

 本書は「世界中で摂取されているカロリーの80%は、たった12種類の植物から得られている」……という驚きのデータから始まります。昔からヒトは野生の植物を採取し、それを栽培する術を開発し、農業として育ててきました。その方法は地域ごとに異なり、それに合わせて品種も各地域で独自の発展を遂げてきましたが、産業革命以降、農業の工業化が進み、育てる品種を絞り込んで、肥料や殺虫剤を使いながら最大効率で栽培する手法が主流になっていきます。それが、あらゆる品種で限られた品種を効率的に育てる農業が中心となり、それに合わせて、真菌やウイルス、害虫等による被害がでると広範囲で一気に広がる事にもなりました。その意味で、現代の農業は短期的な効率性・生産性が最大化されている一方で、一度被害が出たときのインパクトが非常に大きくなるという意味での脆弱性を抱えており、機械化し、化学肥料、殺虫剤、除草剤を用いて資本を集中し、遺伝的に均質で多様性のない作物を大規模栽培する農業は危機にあると著者は本書で切実に問いかけてます。生産性向上が叫ばれるこの世の中で、品種絞込みの流れが進んでおり、これまで日本の多様な品種を守ってきた「種子法」が廃止され、日本の農業も大きな転換点に差しかかっています。本書のタイトルにもありますが、多くの人は「世界からバナナがなくなる…」ということはありえないと思っているだろうし、世界的な農業の危機が現実に起きているということも知らないでしょうし、日本の種子法廃止がどれたけの影響となるのか他人事として関心すら持てないでしょうが、農業の様々な現実問題が本書では指摘されており、これは我々の食と生命にも大きく関わることでもあるだけら、多くの人に本書を読んでもらいたいと思います。

【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
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2018年10月01日

『サハラの薔薇』下村敦史

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サハラの薔薇 [ 下村 敦史 ]
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 研究のため、自らの手を汚した考古学者は、航空機の墜落により、砂漠横断を余儀なくされる。危険を内包したパーティに、さらに襲い来る困難の数々。やがて一行は分裂し…。『文芸カドカワ』掲載に加筆し単行本化。

 エジプト発掘調査のハイライト、王家の墓に埋葬されていた石棺の中にあったのは、死後数ヵ月のミイラ状死体だった! そして、考古学者の峰は何者かの襲撃を受ける。危うく難を逃れたが講演先のパリへ向かう飛行機が砂漠に墜落し、徒歩でオアシスを目指すことになった。同行者は美貌のベリーダンサー・シャリファ、粗暴で残酷なアフマド。何かを思い詰めている技術者の永井、飛行機オタクのエリック、不気味な呪術師。誰もが謎を抱え、次々と危険なカードを切ってくる…やがて一行は分裂し、巻き込まれた戦闘の中で峰は、永井の過去と真実の使命を知る。果たして「サハラの薔薇」とは何なのか。それが未来にもたらすものは!?

 物語は、サハラ砂漠を舞台としたサバイバルサスペンスで、設定と展開の面白さに前半はドハマりして一気に読みましたが、後半から展開が脱線したのが非常に残念。砂漠でのサバイバルと登場人物それぞれの思惑はとても面白かったものの、核廃棄物問題へ繋げず冒険小説として押し切った方が良かったようには思いました。

【満足度】 ★★★★
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