2018年06月20日

『蒼き山嶺』馳 星周

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蒼き山嶺 [ 馳星周 ]
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 元山岳遭難救助隊員の得丸志郎は、大学時代、山岳部で一緒だった公安刑事・池谷博史と再会。残雪期の白馬岳の山頂までのガイドを頼まれるが、池谷は警察から追われ、刺客に命を狙われていた…。『小説宝石』連載を単行本化。

 なにがあった? なにをした? どうして追われている? 元山岳遭難救助隊員の得丸志郎は、残雪期の白馬岳で公安刑事・池谷博史と再会した。2人は大学時代、山岳部で苦楽をともにした同期だった。急遽、白馬岳山頂までのガイドを頼まれた得丸が麓に電話を入れると、警察に追われた公安刑事が東京から逃げてきている、という話を聞かされる。厳しい検問が敷かれ、逃げるには山を越えるしかないと言われたその時、池谷が拳銃の銃口を押しつけてきた……。

 物語は、山岳ガイドをしている、かつての遭難救助隊員と、大学時代の山岳部の同期の公安刑事が、再び山で再会するも、公安刑事であるにも関わらず、警察から追われ、更に刺客に命を狙われ、逃避行の手助けをするが…という山岳小説。著者にしてはノワール色の少ない異色の山岳小説でもありましたが、ラストは著者らしい救いのない結末にもなっており、最初から最後まで一気に読むことができました。これまでの馳作品と比べると物足りなさは感じたものの山岳小説としては面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2018年06月19日

『U(ウー)』皆川博子

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U [ 皆川 博子 ]
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 オスマン帝国の捕虜となり、不老の体を手に入れた3人の美少年。300年後、ドイツ軍Uボートの乗組員となった彼らを待ち受けるものは…。数奇な運命に翻弄される若者たちの物語。『オール讀物』掲載を単行本化。

 舞台は、17世紀初頭、最後の輝きを見せるオスマン帝国。征服されたキリスト教国から、”貢ぎ物”のように王(スルタン)のもとへ連行された三人の少年たち。強制的に母国語を奪われ、イスラム教徒へと改宗させられながらも故郷への帰還を諦めない日々……。宦官による王の暗殺計画、側近兵の反乱など、内部から崩壊しつつあったオスマン帝国の終焉に巻き込まれた少年兵は、ある戦闘の途中で、「謎の岩塩鉱」に転落。暗闇を彷徨う。同時に進行する物語の、もうひとつの舞台は、1915年、第一次世界大戦中のドイツ帝国海軍・Uボート。与えられた使命は、連合国軍の通商船の破壊。無差別攻撃を続けても、戦況は悪化し続けた。「Uボートは、一隻たりとも敵の手に渡してはならぬ。戦闘能力を失った艦は自沈せよ」機密を守るための”掟”に従って、敵艦の攻撃を受けたUボートを自沈させ、イギリス軍の捕虜となったドイツ士官捕虜を救出する極秘の作戦が発動した。敵の機雷網や爆雷を潜り抜け、決死の作戦を完遂できるか……。

 本書は、17世紀初頭のオスマン帝国と、第一次世界大戦時のドイツ帝国の二つの時間軸で描かれた強制的にムスリムにされた少年達の物語。オスマンとドイツのUボートを繋げる重厚かつ壮大な作品で、萩尾望都の『ポーの一族』を思い出すような物語でもあり、数奇な運命に圧倒されました。

【満足度】 ★★★★☆
ラベル:皆川博子
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2018年06月18日

『嘘』村山由佳

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嘘 Love Lies [ 村山 由佳 ]
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 全てを変えた中学2年の夏。生涯拭えぬ過ちとトラウマを抱えたまま、各々の人生を歩んでいた男女4人の運命が、20年の時を経て交錯する。官能と暴力に満ちた恋愛長編。『週刊新潮』連載に加筆し単行本化。

 刀根秀俊、美月、亮介、陽菜乃は仲のいい友達グループだった。中学2年の夏にあの事件が起こるまでは……恐怖、怒り、後悔、そして絶望。生涯拭えぬ過ちとトラウマを抱えたまま、各々の人生を歩んでいた4人。求め合う体と秘めたる想いが、さらなる苦悩を呼び、暴力の行き着く果てに究極の愛が生まれる。著者渾身の長編ノワール!

 物語は、境遇の違いを超えて友情を育んできた4人が、中学2年の夏に起きた暴行事件をきっかけに、予期せぬ殺人事件に巻き込まれ、それが一生消せない罪と後悔となり、暗い秘密を共有した男女の20年が綴られる作品。本書は約500ページというボリュームの厚さを感じさせない作品で、数奇な運命に翻弄される4人の姿には切なさを覚えましたが、読み応えのある一冊です。

【満足度】 ★★★★
ラベル:村山由佳
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2018年06月16日

『Ank:a mirroring ape』佐藤 究

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Ank: a mirroring ape [ 佐藤 究 ]
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 2026年、多数の死者を出した京都暴動。感染症でもテロでもない。発端となったのは一頭の類人猿。東アフリカからきた「アンク(鏡)」という名のチンパンジーだった…。人類初の災厄に、霊長類研究者が立ち向かう!

 2026年、多数の死者を出した京都暴動(キョート・ライオット)。ウィルス、病原菌、化学物質が原因ではない。そしてテロ攻撃の可能性もない。人類が初めてまみえる災厄は、なぜ起こったのか。発端はたった一頭の類人猿(エイプ)、東アフリカからきた「アンク(鏡)」という名のチンパンジーだった。AI研究から転身した世界的天才ダニエル・キュイが創設した霊長類研究施設「京都ムーンウォッチャーズ・プロジェクト」、通称KMWP。センター長を務める鈴木望にとって、霊長類研究とは、なぜ唯一人間だけが言語や意識を獲得できたのか、ひいては、どうやって我々が生まれたのかを知るためのものだった。災厄を引き起こした「アンク」にその鍵をみた望は、最悪の状況下、たった一人渦中に身を投じる……。

 本書は、昨年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞した著者の受賞後第1作となる近未来SFパニック小説。本書は第20回大藪春彦賞受賞作でもありますが、2026年の京都を舞台に、東アフリカからきた「アンク」という名のチンパンジーにより、その場にいた人たちは互いに殺戮を続ける事態が発生。災厄を引き起こした「アンク」がなぜ元凶なのかを探りながら事態の収拾をする霊長類研究施設「京都ムーンウォッチャーズ・プロジェクト」のセンター長の立ち向かう様子が描かれます。時系列が目まぐるしく入れ替わり、読み手によって好みは分かれる作品とは思いますが、類人猿からの進化についても興味深かったですし、最初から最後まで十分に楽しめました。

【満足度】 ★★★★☆
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2018年06月15日

『モモコとうさぎ』大島真須美

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モモコとうさぎ [ 大島 真寿美 ]
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 モモコ、22歳。就活に失敗して、バイトもクビになって、そのまま大学卒業。もしかして私、誰からも必要とされてない? 寄るべなく放浪を重ねるモモコが行き着く先は…。現代を生きる若者の、憂鬱と活路を描く青春放浪記。

 働くって、生きるってどういうことだろう…。モモコ、22歳。就活に失敗して、バイトもクビになって、そのまま大学卒業。もしかして私、世界じゅうで誰からも必要とされてない…!? 何をやってもうまくいかなかったり、はみだしてしまったり。寄るべない気持ちでたゆたうように生きる若者の、云うに云われぬ憂鬱と活路。はりつめた心とこわばった躰を解きほぐす、アンチ・お仕事小説!

 本書は、就職活動がうまく行かなかった主人公の女子の物語。あてもなく家出をし、流された場所でうまく順応していく主人公の姿には共感できませんでしたが、自分探しに生きる姿は現代的といえるのかも。主人公と同世代であれば面白く感じるかもしれませんが、個人的にはイマイチでした。

【満足度】 ★★★
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2018年06月14日

『ミライミライ』古川日出男

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ミライミライ [ 古川 日出男 ]
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 その音はお前のため、お前はお前の仲間のため…。北海道で抗ソ運動を率いたゲリラの物語と、世界を魅了したヒップホップグループの物語が交錯する、壮大な青春・音楽・歴史小説。『新潮』掲載を書籍化。

 第二次世界大戦後北海道はソ連に占領、鱒淵いづるを指揮官とする抗ソ組織はしぶとく闘いを続ける。やがて連邦国家インディアニッポンとなった日本で若者4人がヒップホップグループ「最新」(サイジン)を結成。だがツアー中にMCジュンチが誘拐、犯人の要求は「日本の核武装」……歴史を撃ち抜き、音楽が火花を散らす、前人未到の長編。

 本書は、第二次世界大戦後、敗戦国である日本はアメリカとソ連に分割統治され、ソ連に統治される北海道では、解散を拒否した旧日本軍の兵士らが抗ソ連のゲリラ戦を展開し、日本政府はインドとの連邦制の道を摸索し、ヒップホップの「詩歌」を心の支柱とする抵抗運動が描かれるSF音楽小説ですが、個人的には合わなかった作品で、違う展開で描いてほしかったです。

【満足度】 ★★
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2018年06月13日

『メガネと放蕩娘』山内マリコ

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メガネと放蕩娘 [ 山内 マリコ ]
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 「メガネ」女子の長女タカコと、臨月のお腹を抱えて帰ってきた「放蕩娘」の妹ショーコのもとに、街を変えるキーパーソンが集結し…。地元富山の商店街を徹底取材して描いた社会派エンタメ。『CREA』連載を単行本化。

 とある地方都市で市役所勤めをしているタカコ。彼女の実家は商店街にあるウチダ書店だが、最近、客足は途絶えっぱなし。かつて栄えていたこの商店街は、いまやシャッター街も同然なのだ。そんな瀕死の商店街に、10代で家を出たタカコの妹、ショーコが突然帰ってきた。臨月のお腹を抱えて……。東京でカリスマ店員として働いていたショーコが、商店街再興を目指して動き始める。デイケアと保育所をあわせた施設の企画、商店街をあげてのファッションショー、大学生ステイ受け入れや、マンスリーショップの運営。商店街で生まれたショーコの娘、街子も商店街とともにすくすく育っていく。ショーコの活躍で一時的に賑わいを取り戻したかに見えた商店街だったが、それも束の間。個人の努力ではどうにもならない、思いもよらぬ結末が待ち受けていた。

 本書は、人通りが減り活気を失った富山市の中心商店街を舞台に、まちを活性化させようと奮闘するアラサー姉妹の姿を爽快に描いた作品。物語では、市役所職員、商店街の若手経営者、地元大学の研究者ら多くの人々が街の再生に取り組む様子が熱く描かれますが、理想と現実問題などもリアルに描かれており、地方の特性や人物描写も細かく描写され、地方の商店街の問題も分かりやすく書かれています。

【満足度】 ★★★★
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『武者始め』宮本昌孝

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武者始め [ 宮本昌孝 ]
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 自ら作った薬で家臣団との絆を深めた徳川家康、高貴な身分と偽った豊臣秀吉、容姿を逆手にとった真田幸村…。歴史に名を刻んだ7人の武将たちの知られざる“初陣”を描く。『小説NON』掲載を書籍化。

 出っ歯の透きっ歯で極端な縮れ毛…。上杉家当主・景勝の前に現れた真田家の人質・弁丸(後の幸村)は大変な醜男であった。その上、美男の兄・源三郎(後の信之)では気に入らないだろうと言い放つ。景勝と跡目を争った義兄弟・三郎景虎が美男で名高かったからだ。手討ちになるかと思いきや、その明るい人柄で気難しい景勝に気に入られる。秀吉の出陣命令にも、時勢を読んだ的確な助言をし、武将としての厚い信頼も得る。上杉家中での存在感を増していく中、弁丸は父の名代として秀吉に謁見することになるが…。真田幸村を描いた「ぶさいく弁丸」他、自ら作った薬で家臣団との絆を強めた徳川家康、高貴な身分と偽った豊臣秀吉、北条早雲、武田信玄、上杉謙信、織田信長ら、天下に名を轟かせた七武将の知られざる“初陣”を鮮やかに描く!

 本書は、信長、秀吉らの知られざる「初陣」を描いた7編の時代小説。それぞれに読みやすい内容で、7武将の特徴をうまく活かして描かれます。かなりデフォルメされている部分もあるでしょうが、時代小説を読み慣れていない人でも読みやすい作品だと思います。

【満足度】 ★★★☆
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2018年06月11日

『ミステリークロック』貴志祐介

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ミステリークロック [ 貴志 祐介 ]
価格:1836円(税込、送料無料) (2018/6/11時点)




 希少な時計の数々が時を刻む晩餐会で、主催者の女流作家が死亡する。状況は事故死。だが、防犯探偵・榎本径がひとつの時計を目にしたとき、事故は殺人へと変貌する…。表題作ほか全4作を収録。『小説野性時代』掲載を書籍化。

 様々な種類の時計が時を刻む晩餐会。主催者の女流作家の怪死は、「完璧な事故」で終わるはずだった。そう、居あわせた榎本径が、異議をとなえなければ……。表題作ほか、斜め上を行くトリックに彩られた4つの事件。

 本書は、防犯探偵・榎本径が挑む4つの密室トリックが描かれるミステリ集。暴力団の事務所、美術館の展示室、人里離れた山荘、海に浮かぶボートという風変わりな4つの舞台で不可能犯罪が発生し、犯人の巧妙な密室トリックと、榎本の並外れた推理力が、それぞれの作品で読み応えあるミステリとなっています。トリックがかなり凝っていて、頭脳戦は楽しめました。

【満足度】 ★★★★
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2018年06月09日

『迷い家』山吹静吽

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迷い家 [ 山吹 静吽 ]
価格:1620円(税込、送料無料) (2018/6/9時点)




 太平洋戦争末期、行方不明の妹を捜す軍国少年・心造は、民話で聞いた「山のお屋敷」に囚われた。そこは数々の妖や霊宝を封じる異界だというが…。少年の哀しき紅蓮の野望が、怪異まみれの屋敷と共振する怪奇冒険小説。

 昭和20年。火の雨降る東京大空襲から生き残った少年・冬野心造は、遅れて母校の集団疎開に合流した。民話が息づく地・古森塚で、妹の真那子が行方不明となる。妹と一緒に脱走を図った香苗の証言を基に山に分け入った心造の前に忽然と現れたのは、見渡す限りの蕗の原にたたずむ巨大な屋敷だった。妹を捜して屋敷を探索するが、妖怪とでも言うべき怪物に次々と襲撃される心造。彼を助けたのは、老犬「しっぺい太郎」だった。しっぺい太郎が語るには、屋敷は現世を追われた妖や、霊宝と言われる道具を封じるための異界で、稀に人も閉じ込められるという。妹探しに協力してくれるという太郎だったが、そこにはあるたくらみがあった。そして、脱出を図り様々な霊宝を使ううちに、大日本帝国の勝利を願う軍国少年としての紅蓮の野望が、心造の心に芽生えてくる。果たして心造が試みたことは、その結末は……。

 本書は、第24回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞作。物語は、様々な民話伝承を物語に取り込んだホラー作品ですが、様々な要素が盛り込まれていて、怖さと主人公でもある軍国少年の苦悩がしっかりと描かれています。

【満足度】 ★★★★
ラベル:迷い家 山吹静吽
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2018年06月08日

『ビジュアルでわかる地球と人類の46億年史』土屋健/宮崎正勝

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地球と人類の46億年史 [ 土屋健 ]
価格:1728円(税込、送料無料) (2018/6/8時点)




 今から46億年前、太陽を取り巻くちりが集まり、地球が誕生した。豊富なビジュアルとともに、地球と生命が繰り広げた壮大なドラマをたどり、世界各地で起きたさまざまな革命と、時代により移り変わるネットワークを紹介する。〔「ビジュアルでわかる地球46億年史」(2014年刊)の改題,再編集〕

 今から46億年前、天の川銀河の片隅で生まれた地球…。38億年前に最初の生命が誕生すると、「進化」と「絶滅」を繰り返しながら、700万年前についに最古の人類が登場する。農耕を始め、道具と文字を手にした人類が文明を築いたのが5000年前。そこから人類は、「革命」と「戦争」を繰り返しながら世界中をネットワークで結び、地球の主となった…。波乱の46億年を俯瞰することで、われわれが住んでいる地球の、新たな歴史が見えてくる。

 本書はタイトルからも分かるように、ビジュアルも豊富なフルカラーで、地球と人類の46億年史を簡潔にまとめたもの。小学生高学年ぐらいだと十分に理解しやすい内容となっていて、より深く掘り下げるというものではありませんが、家族で楽しみながら読むことができる一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2018年06月07日

『米中海戦はもう始まっている 21世紀の太平洋戦争』マイケル・ファベイ




 中国艦が米軍艦に異常接近、南シナ海の岩礁を次々と略奪する中国…。進出を続ける中国と、アジア太平洋地域でプレゼンスを維持するアメリカとの間で実際に起きた、2000年代以降の非常に緊迫した海上事件を紹介する。

 本書は、インドを包囲するため、スリランカの港を「99年間租借」するなど、過激な海洋進出を続ける中国と、その中国を抑えるため、太平洋で積極的に行動するアメリカとは「すでに米中海戦は始まっている」として、これまでの両国の軍事衝突事案を具体的にまとめたもの。米中両軍は日々つばぜり合いを繰り広げていますが、一つ間違えば周辺国を巻き込んでの熱い軍事衝突にもなりかねない東アジアの危機の実態についても紹介しており、アメリカ海軍の船乗りや航空機搭乗員へのインタビューを通して、この15年あまりに起きた非常に緊迫した海上事件の数々についても、軍事ジャーナリストの著者がまとめていますが、米中の緊迫関係が続いている最中でもあるだけに、印象に残る一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2018年06月06日

『人と馬の5000年史 文化・産業・戦争』スザンナ・フォーレスト




 生産手段や交通手段となり、権力の象徴や軍事力にもなり、また友でもあった馬。さまざまな角度から現地での取材を織り交ぜ、太古から現代にいたる馬と人間との深い関わりを紹介する。

 本書は、タイトルにもあるように、人と馬の5000年の歴史について、様々な角度から現地での取材を織り交ぜ、太古から現代にいたる馬と人間との深い関わりを紹介したもの。A5判で400ページ超と、かなりのボリュームがあり、馬の歴史辞典という感じでもありますが、馬の歴史や文化については読み応え十分の内容です。

【満足度】 ★★★★
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2018年06月05日

『ひとり暮らしレスキューBOOK』成美堂出版編集部

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ひとり暮らし レスキューBOOK [ 成美堂出版編集部 ]
価格:1080円(税込、送料無料) (2018/6/5時点)




 部屋探し、引越し、防犯と防災、住まいづくり、家事、お金…。ひとり暮らしを始める人に必要な準備や手続き、用意するもの、ノウハウなどを、イラストとともに紹介します。経験者からのアドバイスも掲載。書き込み欄あり。

 ひとり暮らしが決まったあなた。おめでとうございます! すべてがはじめてで、わからないことばかりだから、胸の中は、きっと期待と不安でいっぱいのことでしょう。この本は、そんなひとり暮らし初心者の方のお手伝いをします。困った時は、ページを開いてヒントを探してみてください。部屋探し、引越し、防犯と防災、部屋作り、家事、お金。新しい暮らしを始めるために必要な項目をまとめました。3人の登場人物とともに、輝く新生活をスタートさせましょう。

 本書は、部屋探しから引越し・防犯・お金など、多方面から紹介した、これからひとり暮らしを始める方にピッタリのハウツー本。部屋探しや引っ越しに関する疑問や注意点、家事のヒントやお金のやりくりなど、わかりやすいイラスト付きで情報が多く掲載されています。

【満足度】 ★★★☆
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2018年06月04日

『八甲田山 消された真実』伊藤 薫

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八甲田山消された真実 [ 伊藤薫 ]
価格:1836円(税込、送料無料) (2018/6/4時点)




 師団長証言と異なる顛末書のねつ造、行軍前に八甲田で訓練をしていない五聯隊、混乱とパニックが起きた部隊と脱走兵の出現…。最後の生き証人の声や関連資料の調査から、八甲田雪中行軍遭難事故の新事実を浮かび上がらせる。

 「天は我を見放したか」という映画の著名なフレーズとは大違い、新発見の事実を丹念に積み重ね、青森第5連隊の悲惨な雪行行軍実態の真相に初めて迫った渾身の書、352頁にもわたる圧巻の読み応え。

 本書は、八甲田山での演習経験もある元自衛官の著者による、陸軍青森五聯隊の雪中行軍訓練で発生した八甲田山遭難事件のノンフィクション。映画化もされた新田次郎の『八甲田山死の彷徨』は、冬の八甲田山の厳しさと人間がクローズアップされましたが、本書は八甲田雪中行軍遭難事故はなぜ起きたのか?という事件の本質と原因を丹念な調査から探ったもの。事故を引き起こした連隊の冬山での行軍に対する認識・訓練・経験不足、更に現場の指揮官の功名心とその上司の面目という愚かな側面が事故に繋がった事実こそ、後世に語り継いでほしいものですし、「八甲田山雪中行軍」とは何だったのか?の真相に迫った渾身の一冊です。

【満足度】 ★★★★☆
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2018年06月02日

『半分世界』石川宗生

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半分世界 (創元日本SF叢書) [ 石川宗生 ]
価格:2052円(税込、送料無料) (2018/6/2時点)




 ある朝突然、縦に半分になった家で、平然と暮らし続ける一家とその観察に没頭する人々を描く表題作をはじめ、会社から帰宅途中の吉田大輔氏が一瞬にして19329人となる「吉田同名」など、全4編を収録。

 3年前、会社から帰宅途中の吉田大輔氏(30代、妻と男児ひとり)は、電車を降りて自宅に向かうあいだで一瞬にして19329人となった……第7回創元SF短編賞を受賞した「吉田同名」をはじめ、ある日突然、縦に半分になった家で、平然と暮らし続ける一家とその観察に没頭する人々を描く表題作、全住民が白と黒のチームに分かれ、300年もの間ゲームを続ける奇妙な町を舞台にした「白黒ダービー小史」など全4編。突飛なアイデアと語りの魔術が描き出す、まったく新しい小説世界。

 本書は、第7回創元SF短編賞の受賞者である著者のデビュー作。4つの作品が収録されたSF小説集ではありますが、それぞれに特徴があまりにもありすぎるのと、作品の説明も難しいですが、当たり前の日常生活が突然大変化した特別な世界観が表現されていますが、インパクトが強烈で、奇妙な物語ではあるものの、印象に残るSF作品です。次作にも期待します。

【満足度】 ★★★★
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2018年06月01日

『百貨の魔法』村山早紀

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百貨の魔法 (一般書) [ 村山 早紀 ]
価格:1728円(税込、送料無料) (2018/6/1時点)




 風早の街にある百貨店の老舗、星野百貨店。存続が危ぶまれる百貨店の運命と、店員たちの愛と誇り、お客さんたちの思いが重なり合う。

 時代の波に抗しきれず、「閉店が近いのでは?」と噂が飛び交う星野百貨店。エレベーターガール、新人コンシェルジュ、宝飾品売り場のフロアマネージャー、テナントのスタッフ、創業者の一族らが、それぞれの立場で街の人びとに愛されてきたデパートを守ろうと、今日も売り場に立ちつづける……。百貨店で働く人たちと館内に住むと噂される「白い猫」が織りなす、魔法のような物語!

 本書は、現実の百貨店の厳しい状況から、街の人びとに愛されてきたデパートを守ろうと奮起する姿を描いた作品。ファンタジータッチで描かれた物語でもあるため、優しく表現されていますが、その分展開が淡々としていたのが、ややマイナスでもありましたが、百貨店で働くエレベーターガール、靴屋の店長、高級贈答品売り場のフロアマネージャー、資料室のお姉さん、ドアマン…と、それぞれの視点から物語が描かれ、心が和む作品でした。

【満足度】 ★★★★
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2018年05月31日

『ホワイトラビット』伊坂幸太郎

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ホワイトラビット [ 伊坂 幸太郎 ]
価格:1512円(税込、送料無料) (2018/5/31時点)




 その夜、街は静かだった。高台の家で、人質立てこもり事件が起こるまでは…。仙台で発生した人質立てこもり事件。SITに所属、宮城県警を代表する優秀な警察官も現場に急行し、交渉を始めるが…。予測不能の籠城ミステリー。

 仙台の住宅街で発生した人質立てこもり事件。SITが出動するも、逃亡不可能な状況下、予想外の要求が炸裂する。息子への、妻への、娘への、オリオン座への(?)愛が交錯し、事態は思わぬ方向に転がっていく……。「白兎(しろうさぎ)事件」の全貌を知ることができるのはあなただけ! 伊坂作品初心者から上級者まで没頭度MAX! あの泥棒も登場します。

 物語は、仙台で起こった人質立てこもり事件の顛末が描かれる篭城ミステリ。相変わらずの伊坂ワールドが全開で、展開と視点が目まぐるしく変化していきますが、そのスピード感は一瞬読み手を混乱させるものの、複数の伏線からラストまではしっかりと繋いでおり、ミステリとして存分に楽しむことができました。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、別の伊坂作品の登場人物を登場させて展開を更に盛り上げており、ドンデン返しのラストもスッキリとした結末で、最初から最後まで目が離せませんでした。

【満足度】 ★★★★☆
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2018年05月30日

『日本人のための第一次世界大戦史 世界はなぜ戦争に突入したのか』板谷敏彦




 第一次世界大戦を理解すれば、今日の世界がわかる。日本人が知らない歴史の転換点を、金融のプロが読み解く。『週刊エコノミスト』連載を書籍化。

 本書は、金融エコノミストの著者が、金融視点で第一次世界大戦についてをまとめたもの。第一次世界大戦は4年3ヵ月の長きにわたって戦われ、死者1000万にのぼる大戦争でもありますが、日本ではこの歴史があまりにも表面でしか教えられていません。サブタイトルに「世界はなぜ戦争に突入したのか」ともありますが、数字から見るその背景や、19世紀初頭に西欧世界で何が起こっていたのかについて、様々な視点から書かれているだけに、各国の当時の動きや経済や産業なども興味深く解説されています。

【満足度】 ★★★★
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2018年05月29日

『にっぽんの履歴書』門井慶喜

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 司馬遼太郎は「艦これ」ブームを予言した? 人口減少で「邪悪な正義」も減る? 博覧強記の作家が「平成後の日本」を考える50篇の歴史エッセイ。20年をこえる歴史と思索の旅のエッセンスが結実した一冊。

 本書は、著者初のエッセイ集。様々な新聞や雑誌に書かれたエッセイがまとめられたものですが、日本の歴史的なエピソードにまつわるエッセイは読みやすく、歴史好きにはお勧めの一冊です。エッセイとしては短文ではあるものの、エッセンスが利いていて、面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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