2019年09月14日

『未来』湊かなえ

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未来 [ 湊かなえ ]
価格:1814円(税込、送料無料) (2019/9/14時点)




 ある日、10才の章子に突然届いた一通の手紙。送り主は未来の自分、30才の章子だという。信じているあいだは、本物の未来からの手紙。章子はその夜、返事を書き…。書き下ろし長編ミステリー。

 物語は、一つのストーリーを複数の視点で描いた作品ですが、登場する大人達の酷さは救いがなく、著者らしいイヤミス度が満載です。親からの虐待やイジメなど、子どもの辛く苦しい世界が描かれますが、助けを求める人が助けられない世界を読むのは重い部分がありますが、著者らしい作品です。

【満足度】 ★★★★
ラベル:湊かなえ 未来
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2019年09月13日

『本屋の新井』新井見枝香

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本屋の新井 [ 新井 見枝香 ]
価格:1404円(税込、送料無料) (2019/9/13時点)




 本は日用品です。だから毎日売ってます。わさわさっと選んでレジにどん。それでいい…。芥川賞・直木賞より売れることもある「新井賞」を設立した現役書店員によるコラム集。出版業界の専門紙『新文化』連載に加筆し書籍化。

 『探してるものはそう遠くはないのかもしれない』(秀和システム)が大好評の型破り書店員・新井見枝香による”本屋にまつわる”エッセイ集! 「新文化」連載エッセイ「こじらせ系独身女子の新井ですが」に加え、noteの人気記事、さらには書き下ろしも。装幀、カバーイラスト、挿絵は寄藤文平!

 本書は、「新井賞」の創設や「新井ナイト」の開催など、書店員としては型破りとも言える様々な取り組みで、常に話題を集めてきた三省堂書店員でもある著者の2冊目となるエッセイ集。前作のエッセイ『探してるものはそう遠くはないのかもしれない』は私生活が中心でしたが、今回は書店員としての話が中心で、本棚整理やポップ書きや本屋イベントなど、読書好きとして非常に興味深い内容ばかりで、読書好きにはオススメのエッセイです。

【満足度】 ★★★★
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2019年09月12日

『北海道ぶらり歴史探訪ルートガイド』北海道の歴史を見て歩く会




 幕末から明治にかけた変革期の舞台、開拓時代の名所や偉人の足跡、人々の信仰や文化、発展の歩みを紐解く、歴史ロマンの旅へ。北海道内の歴史をテーマで巡る28コースを紹介する。

 北海道の歴史を本州と比較すると、旧石器時代や縄文時代などの古代の時期は同じようにありますが、奈良、平安、鎌倉時代のような熱い時代の流れはありません。しかし、アイヌ文化や屯田兵制度など北海道にしか見られない歴史もあります。「歴史の重みとは何か」、「自然の重みとは何か」、広い北海道の歴史を探訪する一助として、本書をぜひご活用ください。

 本書は、道内の歴史をテーマで巡る充実の28コースを紹介したガイドブック。取り上げられている28コースでは、松前町・函館市・江差町・北広島市・恵庭市・札幌市・江別市・石狩市・小樽市・平取町・網走市のコースが取り上げられていて、それぞれのコースのウォーキング距離や歴史内容、写真やイラスト図などで分かりやすく紹介されています。本を片手に地図を見ながら歴史探訪したいです。

【満足度】 ★★★★
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2019年09月11日

『ヘンな名前の植物 ヘクソカズラは本当にくさいのか』藤井義晴




 ハキダメギク、オオイヌノフグリ、ママコノシリヌグイ…。ヘンな名前の植物を「きたない名前・きれいな名前」「不吉な名前」「めでたい名前」などにわけて掲載。ヘンな学名や英語名も紹介する。

 植物の名前には、きれいなもの、きたないもの、セクシーなもの、意味不明なものなど、いろんなバリエーションがあります。ヘクソカズラ、ハキダメギク、オオイヌノフグリのようにちょっと可哀想なものもあれば、コスモス、キチジョウソウ、コバンソウのように感じの良いものまでさまざまです。しかしそのように命名された植物の真の姿を探ると、ヘンな名前からは想像もできない意外な一面が浮かび上がってきます。知れば知るほど奥深い、ヘンな名前の植物の世界をお楽しみください。

 本書は、植物や動物において、「学名」とは別に日本で独自につけられた「和名」には、思わず吹き出したり苦笑いしたりするものが存在し、なぜ、どのようにして名付けられたのか、由来に迫ると同時に、植物の特徴や生態などを紹介した一冊。植物の世界の奥深さも感じる内容です。

【満足度】 ★★★★☆
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2019年09月10日

『ブラック・クランズマン』ロン・ストールワース

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ブラック・クランズマン [ ロン・ストールワース ]
価格:1620円(税込、送料無料) (2019/9/10時点)




 KKK(白人至上主義団体)の扇動的な人種差別広告に白人男性のふりをして手紙を出すと、KKKから電話がかかってきた…。黒人刑事がKKKに潜入捜査する、大胆不敵な実話。2019年3月公開映画の原作。

 アメリカ・コロラド州コロラドスプリングス警察署で唯一採用された黒人刑事ロン・ストールワースが、ひょんなことから新聞に載っているKKK(クー・クラックス・クラン)のメンバー募集広告に勢いで電話をかける。自ら人種差別主義者であることをアピールし、入団を希望。面接にまで進んでしまうが、対面では流石に黒人だとバレてしまうため、急きょ、同僚の白人刑事チャックに白羽の矢が立つ。電話で話を進めるのはロン、対面はチャックと2人でひとりの人物になりすまし過激派団体の悪事を暴く。人種差別問題が過熱するアメリカを背景に前代未聞の潜入捜査が始まる…!!

 本書は、映画化され、第*4回アカデミー賞脚色賞を受賞した「ブラック・クランズマン」の原作。白人至上主義の人種差別組織KKKに黒人警官が潜入捜査するというノンフィクションですが、70年代のKKKの実情は興味深かったです。

【満足度】 ★★★★
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2019年09月09日

『ピーク』堂場瞬一

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ピーク [ 堂場瞬一 ]
価格:1728円(税込、送料無料) (2019/9/9時点)




 新米の時に野球賭博のスクープを放った社会部遊軍記者の永尾。17年後、自分の記事で球界を永久追放された“幻のエース”が殺人罪で裁かれる。取材を開始した永尾は真実にたどり着くが…。『小説トリッパー』掲載を単行本化。

 社会部遊軍記者の永尾賢治は、新米記者1年目に「野球賭博」のスクープを放つものの、その後はパッとせず、最近では「一発屋」と卑下する日々が続く。また自分の記事により、入団わずか1年で永久追放された“幻のエース”が忘れられずにいた。あれから17年、永尾の目の前に、“幻のエース”がいる。彼は法廷で立ちすくみ、殺人罪の容疑で裁かれようとしていた。裁判を傍聴しながら不審な点に気づいた永尾は、独自に取材を開始する。徐々に明らかになる“幻のエース”が隠し続けた過去や動機。やがて永尾は、警察さえも見落としていた真実にたどり着くのだが…。

 本書は、新人の年に大活躍した投手とそれを報道した新聞記者の物語。登場人物の人間模様が描かれた作品でもありますが、その人間模様に深みがそれほど感じられず、過去に囚われすぎていたのと、主人公の自己弁護には違和感を感じ、作品としてはイマイチでした。

【満足度】 ★★☆
ラベル:堂場瞬一
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2019年09月06日

『日本共産党の正体』福冨健一

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日本共産党の正体 (新潮新書) [ 福冨 健一 ]
価格:864円(税込、送料無料) (2019/9/6時点)




 党員30万人、国と地方約2800人の議員を擁する日本共産党。史的唯物論などの独自理論から組織、歴代書記長、資金、綱領まで、共産主義と日本共産党を知るうえで必要な基礎知識を解説。その危険性と問題点を露わにする。

 事実その1「共産党はドイツで憲法違反」、その2「共産主義で失われた人命は5000万人超」、その3「トップの任期は制限なし」、その4「いまも目指す天皇制廃止」…党員30万人、国と地方合わせて約2800人の議員を擁する巨大組織の本質を見誤ってはいけない。史的唯物論などの独自理論から組織、歴代書記長、資金、綱領まで、共産主義と日本共産党を知るうえで必要な基礎知識。危険性と問題点を露わにする。

 本書は、複数の政党の職員として長らく共産党研究に携わってきた著者が、共産主義の生い立ちからその本質に至るまでを解説したもの。その内容は、共産党批判という感じではなく、共産主義の基本や日本共産党の歴史を淡々と記述しているもので、偏向的な内容にはなっていませんが、「日本共産党の正体」としているのであれば、過去の数々の事件についても触れるべきでしょうし、中途半端な解説となっていたのが少々残念です。

【満足度】 ★★★
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2019年09月05日

『値段と価値 なぜ私たちは価値のないものに、高い値段を付けるのか?』ラジ・パテル




 私たちが支払う“価格”は正当なのか? 現在の経済システムでは“値段”と“価値”は比例せず、まったく異なる基準で設定されているという事実を解明し、そうした経済と社会のあり方を問い直す。

 マクドナルドの「ビッグ・マック」は、日本では390円、スイスは728円、エジプトは195円で販売されているが、じつは環境保全や社会的コストを加えて試算すると、原価だけでも2万円を超える。逆に、高級化粧品の直接原価は1%以下と言われる。つまり2万円の香水でも200円以下となる。本書は、現在の経済システムでは“値段”と“価値”は比例せず、まったく異なる基準で決定されているという事実を構造的に明らかにし、そうした経済と社会のあり方を問い直した書である。「ニューヨーク・タイムズ」紙のベストセラーリストに入り、世界的な反響を呼び16カ国で翻訳出版されている。

 本書は、価値と価格の関係は数字だけで比べられるものではなく、その人の好みや基準、意識や精神性により値段とは違った、まさしく付加価値を産みだすものもあり、一部の人間が作り出した紙に印刷された「お金」というシステム=錬金術=幻想ともいえるものが、「値段」と「価値」の絶対的基準になってしまっていることが現代の人類のもっともおおきな問題の一つであるとし、値段と価値のあり方についてが書かれた一冊。マクドナルドのビッグマックの世界各国の価格の違いと、原価の価値なども興味深かったですし、高級化粧品の直接原価についても驚かされました。

【満足度】 ★★★★
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2019年09月04日

『ノースライト』横山秀夫

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ノースライト [ 横山 秀夫 ]
価格:1944円(税込、送料無料) (2019/9/4時点)




 一級建築士の青瀬が設計した新築の家。しかし、Y邸に越してきたはずの家族の姿はなく、一脚の「タウトの椅子」だけが浅間山を望むように残されていた。Y邸で何が起きたのか? 一家の行方は…。『旅』連載を単行本化。

 一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。施主の一家も、新しい自宅を前に、あんなに喜んでいたのに…。Y邸は無人だった。そこに越してきたはずの家族の姿はなく、電話機以外に家具もない。ただ一つ、浅間山を望むように置かれた「タウトの椅子」を除けば…。このY邸でいったい何が起きたのか?

 本書は、建築士を主人公に、人間にとって「住む」とは何かを問う作品。前半は淡々としすぎていたものの、中盤から後半にかけては著者らしく、じっくりと読ませる展開で、点と線をうまく繋げた作品です。

【満足度】 ★★★★
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2019年09月03日

『同時通訳者のここだけの話』関根マイク

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同時通訳者のここだけの話
価格:1728円(税込、送料無料) (2019/9/3時点)




 国際会議で、要人会議で、法廷で、目にし、耳にした、現場発の「ここだけ」の話…。泥臭くてリアルな「通訳男子」の姿を、包み隠さず綴る。プロ通訳者のノート術も公開する。『ENGLISH JOURNAL』連載を書籍化。

 英語と日本語を巧みに操る売れっ子同時通訳者…そんなキラキラしたイメージの裏にある、泥臭くてリアルな“通訳男子”の姿を包み隠さず綴った通訳エッセイ。国際会議で、要人会談で、はたまた法廷で目にし、耳にした、現場発の「ここだけ」の話が満載。通訳という仕事のダイナミズムと、ことばを通して人とつながる意義、人と人とをつなげる喜びをたっぷり詰め込んだ一冊です。巻末では、プロ通訳者のノート術(メモ取りの方法)を大公開。通訳志望者・通訳者の実務にも役立ちます。

 本書は、同時通訳者でもある著者のお仕事エッセイ。通訳特有の話や英語の知識に関わることなど、同時通訳者の世界が分かりやすく紹介されていて、面白いエピソードも良かったです。

【満足度】 ★★★★
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2019年09月02日

『ドキュメント 候補者たちの闘争 選挙とカネと政党』井戸まさえ




 2017年「異次元総選挙」が暴いた選挙ポスターの向こう側の闘争から、日本政治の機能不全が見えてくる…。30年にわたり政治の世界に身を置いてきた著者が、候補者となった者だけが知る、選挙の真実を語る。

 人はどのようにして政治家になるのか? その第一歩が「候補者」になることだ。並んだポスターの向こうにある不可視の選別、「候補者になるための闘争」を自ら体験した著者による、代表制の根幹をなす選挙の実相。当事者たちの絶望や恍惚、天国と地獄の入口が、蜃気楼のように消えては現れる景色から、日本政治の宿痾が見えてくる。

 本書は、昨年の衆議院選挙に立憲民主党から立候補し、苦杯を舐めた著者が、ジャーナリストの視点で昨年の衆議院選挙を冷静に観察し、自らの体験にとどまらず、多数の関係者にインタビューをし、努めて客観的かつ冷酷に記述し、政治や選挙の裏面を書いたドキュメント。民進党と希望の党とのドタバタを内部から書いている部分は興味深く、野党陣営の体たらくぶりが明らかになっています。

【満足度】 ★★★☆
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2019年08月31日

『「脱使い捨て」でいこう! 世界で、日本で、始まっている社会のしくみづくり』瀬口亮子




 リサイクルや植物性素材に変えるだけでは「地球の使いすぎ」は止まらない! 「脱使い捨て」に向けた社会的なしくみづくりに焦点を当て、世界や日本の様々な事例を紹介し、考察する。

 大手外食チェーンがストロー使用廃止、世界の国々でレジ袋の有料化、日本政府もその方針を打ち出すなど、今まさにメディアでもホットな話題となっている「プラスチック問題」!! それは、新たなビジネスチャンスの到来とも期待されています。しかし!そもそもどうしてプラスチックを減らす必要があるのか、紙や植物性の素材に変えれば解決なのかなど、根本的で正確な情報は消費者に届いていません。「脱プラ」を言うだけではだめなのです。

 本書は、環境団体で長年、「地球から取り出す資源の最小化」や地球温暖化防止の活動に携わってきた著者が、国内外の法制度や自治体、市民の取り組みを紹介しながら、「持続可能な消費と生産」のあり方をやさしく解説します。海外の目からウロコの数々の事例に、未来への希望のわく一冊です。いま注目のキーワード「使い捨て」「資源」「地球温暖化」「エシカル消費」「SDGs(持続可能な開発目標)」などを具体的に学べます。

【満足度】 ★★★★
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2019年08月30日

『東大生の本の「使い方」 「考える武器」としての読書』重松理恵




 東大生は、読書で思考を広げたり、深めたり、整理したりしている。東大生協で書店員として働いていた著者が、東大生が実際にやっている、本の「選び方」「読み方」「活かし方」と、「東大生が買った本」を紹介。

 本書は、元東大生協の書店員の著者が、東大生の特別な読書のルールや、「考える力」が磨かれる、本の「選び方」「読み方」「活かし方」について、更に養老孟司を始めとして、東大出身著名人による本の「使い方」も紹介したもの。東大生の読書生活の実態が書かれていますが、その読書も目的を持った読書をしている人が多い傾向で、ここは見習いたいところでもありますし、東大生が多くの本を読んでいるというのは、面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2019年08月29日

『ドラマへの遺言』倉本聰/碓井広義

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ドラマへの遺言 (新潮新書) [ 倉本 聰 ]
価格:885円(税込、送料無料) (2019/8/29時点)




 大河ドラマ降板の真相は? あの大物俳優たちとの関係は? テレビ局内の生々しいエピソード、骨太なドラマ論、人生観…愛弟子だからこそ聞き出せた破天荒な15の「遺言」。『日刊ゲンダイ』連載をもとに書籍化。

 「やすらぎの郷」「北の国から」「前略おふくろ様」……テレビドラマ界に数々の金字塔を打ち立てた巨人、脚本家・倉本聰が83歳で書き上げた最新作「やすらぎの刻〜道」まですべてを語り尽くす。大河ドラマ降板の真相は? あの大物俳優たちとの関係は? テレビ局内の生々しいエピソード、骨太なドラマ論、人生観……愛弟子だからこそ聞き出せた、破天荒な15の「遺言」。

 本書は、執筆舞台裏やドラマに登場する俳優・女優陣のエピソードなどを、脚本家の倉本聰氏に上智大教授に碓井広義氏が直撃し、そのインタビューをまとめたもの。「傷だらけの天使」や「北の国から」の誕生秘話や、ドラマ撮影のエピソードなどは、作品の殆どを見ていただけに、とても興味深かったです。

【満足度】 ★★★★
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2019年08月28日

『知られざるシベリア抑留の悲劇』長勢了治




 飢餓、重労働、酷寒の三重苦…。日本兵の切実な体験記や、ソ連側の写真文集などを駆使して、ロシア極北マガダンの「地獄の収容所」の実態を明らかにする。マガダン・コルィマ収容所で死亡した捕虜154人の詳細データも収録。

 日本降伏直後の昭和20年8月17日、ソ連軍が突如、北千島の占守島に侵攻してきた。占守島の戦いの最前線にいたのは、旭川第七師団編制の村上大隊と竹下大隊を主体とした4000名。停戦後、武装解除された日本兵は、「日本帰国」とだまされて、最北のシベリアへ送られた。マガダン・コルィマ収容所で死亡した捕虜154名の詳細データも収録。飢餓、重労働、酷寒の三重苦を生き延びた日本兵の体験記、ソ連側の写真文集などを駆使して、ロシア極北マガダンの「地獄の収容所」の実態を明らかにする。

 本書は、シベリア拉致抑留された日本人が体験した「強制労働」の実態を取り上げたものですが、これこそ戦争犯罪であり、多くの日本人にこの事実を知ってほしいと思います。日本兵の切実な体験記は胸が熱くこみあげてくるもので、シベリア抑留の暴虐は絶対に繰り返されてはならないものであり、現ロシアの人達は勿論ですが、世界にこの史実をぜひとも知ってほしいものです。

【満足度】 ★★★★☆
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2019年08月27日

『「縄文」の新常識を知れば日本の謎が解ける』関 裕二




 考古学の画期的な発見やDNA分析の進歩により、「縄文」の常識が大きく覆っている。渡来人の影響は実はわずかであり、縄文人の暮らしは決して原始的ではなかった…。日本人の正体と日本文明の謎に迫る発見の書。

 ようやく、日本人が日本の歴史に目覚めつつある。考古学の画期的な発見や、DNA分析の進歩によって、これまでの常識が大きく覆っているのだ。これまで、縄文の文化は、渡来人の文化によって一掃されたと考えられてきた。だが、それは大きな誤りだった。遺伝的に日本の縄文人たちは特異な特徴を持っていたこともわかりつつある。しかも、縄文人の暮らしは決して原始的ではなかった。現代日本に通じる信仰と習俗と生活が、すでに完成されていたのである。さらにいえば、天皇のあり方も濃厚に縄文的特徴を帯びている…。日本人の正体と日本文明の謎に迫る驚愕と発見の書。

 本書は、縄文人は大量の渡来人に一気に駆逐されたという従来の常識を覆す根拠を、最新の考古学、遺伝学の知見を元に検証。DNA分析から探る日本人の成り立ち、弥生の祭器に残る縄文の文様、ヤマト建国に見る縄文回帰の思想などから現代日本人を再考したもの。新しい事実に基づいて縄文時代を見つめ、日本という国の生まれ方を推測する面白い内容です。

【満足度】 ★★★★
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2019年08月26日

『仕事論  「水曜どうでしょう」2人の名物ディレクターが働き方を語る』藤村忠寿/嬉野雅道

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仕事論 [ 藤村忠寿 ]
価格:1404円(税込、送料無料) (2019/8/26時点)




 できないことは「できない」と言う、面白いと思ったことしかやらない…。伝説の北海道ローカル番組「水曜どうでしょう」の名物ディレクター2人が、やりたいことで結果を出すための「自分勝手」な思考法を語る。

 北海道のローカル番組として始まった『水曜どうでしょう』。口コミで評判が広がり、全国で放送される超人気番組となりました。枠にとらわれない斬新な番組を見て、「楽しそうな仕事だな」「こんな風に自分のやりたいことをやれたらいいな」と思う人も多いでしょう。しかし、ただやりたいことをやっていても、世の中は受け入れてくれません。ただ楽しいことをやっていても、人は面白がってくれません。自分たちがやりたいことで結果を出すためにどうしたらいいか。番組を支える2人のディレクターに、その本質を聞きました。

 本書は、『水曜どうでしょう』の2人の名物ディレクター藤村忠寿と嬉野雅道が働き方を語る初のビジネス書。「どうでしょう」おなじみのシーンの誕生秘話も多く語られていて、「どうでしょう」ファンは面白く読むことができます。参考になるというよりも、この2人のディレクターらしさが語られる一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2019年08月24日

『図解 身近な科学 信じられない本当の話』涌井貞美




 ウンチが薬になる、飛行機に乗ると体重が軽くなる、地球は洋ナシ形をしている…。現代科学の疑問や謎、不思議についてわかりやすく解説。生命科学や物質科学はもちろん、人間科学や数学、統計学など幅広い理系テーマが満載。

 AI(人工知能)、量子コンピューター、遺伝子工学、動物実験など、さまざまな「最新科学」のニュースがメディアを時折にぎわせていますが、それはつまり、「現代科学」の話題はこれからの私たちの生き方や未来をも大きく変える可能性のある「誰もが知りたい訴求力ある情報」であることを意味します。けれども私たちは、残念ながら、現代の科学を理解するための基礎知識が、「学校で教わった範囲」あるいは「ほとんど知らない」状態なのが現実でしょう。そこで本企画は、知っておくべき科学の基本や、現代科学を読み解くのに必要な知識について、身近な例を挙げながらやさしく解説。わかりやすい図解(イラスト・写真)を用いながら本文展開することにより、学生から年配層まで、科学全般の知識が浅い読者でもとっつきやすく、読むだけで「科学の教養」が身につけられる100項目を提供する内容です。

 本書は、動植物、天体から物理、統計学まで意外すぎるサイエンス100項目についてが書かれる科学本。現代科学のポイントをやさしく図解で紹介し、誰でも科学の教養を身につけられる内容です。

【満足度】 ★★★★
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2019年08月23日

『殺人鬼がもう一人』若竹七海

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殺人鬼がもう一人 [ 若竹七海 ]
価格:1620円(税込、送料無料) (2019/8/23時点)




 20年ほど前の連続殺人事件以来、事件らしい事件もないのどかな町・辛夷ケ丘に、次々起こる大事件。悪徳(?)警察官の砂井三琴は今日も大忙しで…。連作ミステリー。『宝石ザミステリー』等掲載に書下ろしを加えて単行本化。

 都心まで一時間半の寂れたベッドタウン・辛夷ヶ丘。20年ほど前に“ハッピーデー・キラー”と呼ばれた連続殺人事件があったきり、事件らしい事件もないのどかな町だ。それがどうしたことか2週間前に放火殺人が発生、空き巣被害の訴えも続いて、辛夷ヶ丘署はてんてこまい。そんななか町で一番の名家、箕作一族の最後の生き残り・箕作ハツエがひったくりにあうという町にとっての大事件が起き、生活安全課の捜査員・砂井三琴が捜査を命じられたのだが…。(「ゴブリンシャークの目」)アクの強い住人たちが暮らす町を舞台にした連作ミステリ。

 本書は、東京近郊の辛夷ケ丘警察の駐在所に勤務する男女2人の警察官を中心に、その近辺で起きる不可解な6つの事件からなる連作ミステリ。登場人物がクセ者揃いで、ブラック度合の強い作品ですが、悪しき慣習をうまくミステリとしています。

【満足度】 ★★★★
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2019年08月22日

『住友を破壊した男 伊庭貞剛伝』江上 剛

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住友を破壊した男 伊庭貞剛伝 [ 江上 剛 ]
価格:2052円(税込、送料無料) (2019/8/22時点)




 絶対的権力の専横、目先の利益を追う者たち。すべてを破壊せねば、再生はできない…。危機に瀕した住友を救った“住友中興の祖”伊庭貞剛の生涯に迫ったノンフィクション・ノベル。『WEB文蔵』連載を加筆・修正。

 住友家二代目総理事として住友銀行創設などの英断を下し、“住友中興の祖”とよばれた伊庭貞剛。彼の人生は、波乱に満ちたものであった……。幕末、志士として活躍したのち、新政府に出仕して司法界に。その後、叔父であり、住友家初代総理事の広瀬宰平に招聘され、住友に入社する。しかし当時の住友は、別子銅山の煙害問題を抱え、さらには宰平の独断専行が目にあまるほどであった。住友財閥の中にありながらも、住友を破壊せんばかりの覚悟を持って改革に臨んだ企業人を描き切った、傑作長編小説。

 本書は、三大財閥の中で一番古い歴史を持つ明治期の「住友中興の祖」といわれる第二代住友総理事である伊庭貞剛の生涯を描いた作品。住友グループの成長と共に、様々な歴史的事例や住友精神など、経営者として時代を築いた生涯は読み応えがありました。

【満足度】 ★★★★
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