2018年04月25日

『アリと猪木のものがたり』村松友視

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アリと猪木のものがたり [ 村松 友視 ]
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 奇跡的に実現したアリ×猪木戦。20世紀最大のブラック・ヒーローとして闘い続けたボクサーと、「過激なプロレス」に突き進んだレスラーは、対戦のなかで相手に何を見たか。2つの光跡の運命的な交わりを描く。

 「世紀の凡戦」、40年の生命力! 奇跡的に実現したアリ×猪木戦は、2つの星の摩訶不思議な遭遇だった。20世紀最大のブラック・ヒーローとしてリング内外で闘い続けたボクサーと、世間の偏見と対峙しながら「過激なプロレス」に突き進んだレスラーは、対戦のなかで、相手に何を見たか? 2つの光跡の運命的な交わりを描く、著者入魂のライフワーク。

 本書は、ボクシング世界ヘビー級王者ムハマド・アリとプロレスラー、アントニオ猪木との格闘技世界一決定戦に潜むテーマを書いた作品。久々の村松友視のプロレス本ということもあって、読み始める前は期待していましたが、猪木対アリ戦の知られざるエピソードが書かれていることもなく、著者がこれまで書きそびれていたものを書いたような感じで、特別な新鮮味もなく、内容としても期待ハズレでした。

【満足度】 ★★
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2018年04月24日

『移植医たち』谷村志穂

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移植医たち [ 谷村 志穂 ]
価格:2052円(税込、送料無料) (2018/4/24時点)




 1985年、移植を学びに渡米した3人の日本人医師を待ち受けていたのは、シビアな命の現場だった。苦悩し、葛藤しながらも、日本初となる移植専門外科を立ち上げるが…。『小説新潮』掲載に大幅な改稿を施し書籍化。

 1985年、当時は「人体実験」とさえ呼ばれた臓器移植。最先端の医術を学ぶために渡米した3人の若手医師を待ち受けていたのは、努力も夢も報われないシビアな命の現場だった。苦悩し、葛藤しながらも、やがて日本初の移植専門外科を設立する彼らを支えた想いとは……。命と向き合い、不可能に挑戦し続ける医師たちを描く感動作。

 本書は、移植医療の父と呼ばれたトーマス・スターツルのもとで学んだ実在の日本人医師達をモデルに、知られざる先端医療の現場と、移植医たちの苦悩や葛藤をリアルに描いた作品。臓器移植については他国に比べて、日本は知識も技術も大きく遅れを取っている中、若手医師達がアメリカで学び、日本で移植外科を立ち上げますが、そこには脳死判定から臓器移植への戸惑い、再生医療の難しさなど、様々な困難が待ち受けます。日本の臓器移植の現状を含めて、非常に難しいテーマを、物語として丹念な取材が伺える物語となっており、これまでの著者の作品は恋愛小説が殆どでしたが、本書は異質ではあるものの、臓器移植についてを改めて考えさせられる一冊でした。

【満足度】 ★★★★☆
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2018年04月23日

『戦の国』冲方 丁

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戦の国 [ 冲方 丁 ]
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 神にならなければ、通れぬ道がある…。桶狭間から大坂の陣まで、日ノ本が造られた激動の55年を、織田信長、上杉謙信、明智光秀、大谷吉継、小早川秀秋、豊臣秀頼の六傑の視点から描く。連作歴史長編。

 史に名を残した武将6人の内面に迫った連作小説集。戦国時代の桶狭間の戦いから大阪夏の陣までが描かれていますが、6人の視点は新鮮ではあったものの、やや強引に描かれている部分もあり、個人的には面白さはありましたが、やや期待ハズレといった感じです。

【満足度】 ★★★
ラベル:冲方 丁 戦の国
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2018年04月21日

『悪魔とのおしゃべり 正しさなんて、ただの多数決』さとうみつろう




 本当の悪魔は、“正義の味方”ぶって自分の常識を押し付けてくる奴らのほう…。悪魔との対話を通して、「正しさ」を疑い、幸せになる方法を説く。人気の自己啓発ブロガーによる実用エンタメ本。

 古本屋で偶然見つけた1冊の本。それは世にも恐しい悪魔の封印を解く、禁断の書であった…。ただ、その恐しいほどに強力なパワーはあなたを幸せにするものだった。“善い行い”をし続けて、幸せになれた奴はいるか? 本当の悪魔は、“正義の味方”ぶって自分の常識を押し付けてくる奴らのほうさ。悪魔のささやきが超魔速であなたの人生を変える! 価値観ぶった斬り実用エンタメ小説。

 著者の『神様のおしゃべり』が以前に読んでそれなりに面白かったので、本書も読みましたが、量子力学の話は面白かったですが、個人的には抽象的すぎてイマイチでした。

【満足度】 ★★★
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2018年04月20日

『あるかしら書店』ヨシタケシンスケ

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あるかしら書店 (一般書) [ ヨシタケ シンスケ ]
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 「ちょっとヘンな本ってあるかしら?」「これなんてどうかしら!」「こんな本、あったらいいな」が詰まった、最高に楽しい妄想書店を、「りんごかもしれない」の絵本作家、ヨシタケシンスケが描きます。

 その町のはずれの一角に、「あるかしら書店」があります。このお店は「本にまつわる本」の専門店。店のおじさんに「○○についての本ってあるかしら?」ってきくと、たいてい「ありますよ!」と言って奥から出してきてくれます。今日もあるかしら書店には、いろんな理由で本を探しにお客さんがやってきます。この本屋さんでは、「あったらいいな」という本や夢いっぱいのグッズが、次から次へと飛び出します。月明かりの下でしか読めない「月光本」、読書に付き合ってくれる「読書サポートロボ」、ふたつの本を合わせて初めて読むことができる「2人で読む本」などなど、読んだらきっと「本ってやっぱりいいよねぇ」と言いたくなってしまうエピソードが満載。大人気の絵本作家ヨシタケシンスケさんの豊かな発想力がめいっぱい詰まった、ますます本が好きになってしまう一冊です。

 本書は絵本と児童書を合わせたような感じで、大人も子どもも楽しめる一冊で、本好きのための絵本。気軽に読めますが、書店にまつわる発想が面白く、ユーモアも交えたイラストエッセイとして楽しく読めました。

【満足度】 ★★★★
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2018年04月16日

『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』畠山理仁

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黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い [ 畠山 理仁 ]
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 今、日本で最も有名な無頼系独立候補(=泡沫候補)、マック赤坂への10年に及ぶ密着取材報告をはじめ、平等な選挙が行なわれない理由、2016年東京都知事選挙における主要3候補以外の18候補の戦いなどをまとめる。

 選挙の魔力に取り憑かれた泡沫候補(=無頼系独立候補)たちの「独自の戦い」を追い続けた20年間の記録。2017年第15回開高健ノンフィクション賞受賞作。

 本書は、何度も選挙に敗れても、挑戦し続ける候補者達の人生を追いかけた記録でもあるノンフィクション。第一章では、日本で最も有名な「無頼系独立候補」スマイル党総裁・マック赤坂への10年に及ぶ密着取材の報告を行い、第二章では、公職選挙法の問題、大手メディアの姿勢など、平等な選挙が行なわれない理由と、それに対して著者が実践したアイデアを記述。第三章では、2016年東京都知事選挙における「主要3候補以外の18候補」の戦いをレポートしていますが、それぞれの候補者はそれぞれのドラマがあり、誰もが自分の主張を訴えています。世間からキワモノ扱いされる泡沫候補ではありますが、その候補者を通して、この国の選挙制度が抱える問題点が浮き彫りにもなっています。政党や組織の支援もなく、選挙に出ては落選を続けるような無名の候補者たちの「独自の戦い」に光を当てた良質のノンフィクションでした。

【満足度】 ★★★★☆
ラベル:黙殺 畠山理仁
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2018年04月14日

『マンモス 絶滅の謎からクローン化まで』福田正己

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マンモス -絶滅の謎からクローン化までー [ 福田 正己 ]
価格:2160円(税込、送料無料) (2018/4/14時点)




 人と深い関係にあったマンモス。永久凍土や気候変動の研究から見えてきたマンモス絶滅の謎や、最近話題となっているマンモスのクローン化など、マンモスにまつわる話をまとめる。

 本書は、約1万年前に絶滅したマンモスの生態に加え、生物の進化や気候変動、先住民の文化や生活、ついにはクローン作製まで、豊富な写真や図表を使ってマンモスについてをまとめたもの。著者は寒冷地域の研究からマンモス研究に入ったとのことですが、地球上の寒冷環境など、マンモス研究以外の事柄についても書かれています。

【満足度】 ★★★☆
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2018年04月13日

『マスカレード・ナイト』東野圭吾

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マスカレード・ナイト (マスカレード) [ 東野 圭吾 ]
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 若い女性が殺害された不可解な事件。警視庁に届いた一通の密告状。犯人は、ホテル・コルテシア東京のカウントダウン・パーティに姿を現す? あのホテルウーマンと刑事のコンビ、再び…。「マスカレード」シリーズ。

 本書は、一流ホテル「ホテル・コルテシア東京」を舞台に、捜査一課の若手刑事・新田浩介と女性フロントクラーク・山岸尚美の活躍を描いたシリーズ第3弾。殺害犯行予告があったホテルのカウントダウン仮装パーティに潜入した刑事と、ホテルを中心に、個性豊かな宿泊客の人間模様を絡め、事件を解決するストーリー。シリーズとしての安定感があり、展開も面白いですが、前2作と比べると、ややミステリ部分が弱く、物語としてもやや淡々としていたのがマイナスでしたが、作品としては楽しめました。

【満足度】 ★★★★
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2018年04月12日

『森家の討ち入り』諸田玲子

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森家の討ち入り [ 諸田 玲子 ]
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 赤穂四十七士には、隣国・津山森家の旧臣3人がいた。光を浴びることのなかった男たちと、彼らを支えた女たちによる、心震わせる戦いを描く。『小説現代』掲載に書き下ろしを加えて単行本化。

 彼らは津山森家の忠臣だったが、改易により赤穂浅野家へとその身を移した。彼らはかつて、江戸郊外中野村の御囲築造にも従事するという不思議な共通点があった。何を思い、どんな事情を抱えて義挙に加わったのか。そしてそんな彼らを支えた女たち。それぞれの義を果たすべく、命をかけて戦い抜いた壮絶な生き様がそこにはあった。

 本書は、吉良邸に討ち入りした赤穂浪士47人の中に、隣国である津山森家の旧臣3人が、なぜ義挙に加わっていたのかを、史実をもとに描いた連作歴史小説。地味な展開ながらも、必死に武士としていきる男たちの姿が描かれます。

【満足度】 ★★★★
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2018年04月11日

『むーさんの自転車』ねじめ正一

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むーさんの自転車 [ ねじめ正一 ]
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 長野と高円寺。2つの街で少年・正雄が大きく成長していく“平成版純情商店街”。一茶の句とともに物語が展開する小説。『福島民友新聞』他掲載を改題、加筆修正し単行本化。

 高円寺の商店街で育った正雄。実家の和菓子屋が倒産し、米屋のむーさんと、長野へ移り住む。小林一茶を愛するむーさんとの暮らしと別れを経て、高円寺へと戻る正雄の成長を描く、平成版・純情商店街。

 本書は、直木賞受賞作『高円寺純情商店街』の続編ともいえる作品。『高円寺純情商店街』は、昭和30年代の東京・高円寺駅前の商店街を舞台に、乾物屋の息子の正一の目を通して、人々の暮らしや人情をほのぼのと描いた作品でしたが、こちらは同じ高円寺の和菓子屋の息子の正雄が主人公。平成元年に高校に入学したものの、入り婿の父が事業に手を出して失敗し、借金の形に店を取られてしまうことに。正雄は店に出入りしていた米屋のむーさんに連れられてむーさんの故郷信州で暮らすことになり、地元の和菓子屋で修業したあと、高円寺に帰ってくる……というストーリーですが、その高円寺は『高円寺純情商店街』と同じく人情味溢れる街で、息子世代から見た高円寺が舞台となっています。物語は淡々としてますが、小林一茶の俳句が展開でキーとなっており、展開に引き込まれました。

【満足度】 ★★★★
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2018年04月10日

『森へ行きましょう』川上弘美

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森へ行きましょう [ 川上 弘美 ]
価格:1836円(税込、送料無料) (2018/4/10時点)




 1966年の同じ日に生まれた、パラレルワールドに生きる留津とルツ。それぞれの人生には無数の岐路があり選択がなされる。そのとき、選んだ道のすぐそばを歩いているのは、誰なのか…。『日本経済新聞』連載を単行本化。

 1966年ひのえうまの同じ日に生まれた留津とルツ。「いつかは通る道」を見失った世代の女性たちのゆくてには無数の岐路があり、選択がなされる。選ぶ。判断する。突き進む。後悔する。また選ぶ。進学、就職、仕事か結婚か、子供を生むか…そのとき、選んだ道のすぐそばを歩いているのは、誰なのか。少女から50歳を迎えるまでの恋愛と結婚が、ふたりの人生にもたらしたものとは、はたして…。日経新聞夕刊連載、待望の単行本化。

 物語は、1966年生まれの2人の女性(パラレルワールドに生きる同一人物)に起こり得た2つの人生を描いた作品。パラレルワールドとして描かれるだけに、読みながら登場人物が若干混乱しましたが、それぞれの人生の選択肢と、その時々の自分の考えで進む姿は、人間ドラマとしても面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2018年04月09日

『ブラック部活動 子どもと先生の苦しみに向き合う』内田 良

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ブラック部活動 子どもと先生の苦しみに向き合う [ 内田 良 ]
価格:1512円(税込、送料無料) (2018/4/9時点)




 部活動問題の第一人者が、エビデンス(科学的根拠)をもとに、ブラック部活動の実情を描くとともに、部活動のあり方を整理する4つの基礎的な視座をあげ、改善に向けた提案を展開する。現場の先生たちによる座談会も収録。

 本書は、生徒も教師も苦しいというブラック部活動の実態と改善策をまとめたもの。本来は楽しく自主的に取り組むべきである部活動に苦しむ生徒がいる一方で、教師側は指導や引率のため土日も休めず縛られていますが、その部活動の今と、今後の改善に向けた提案が盛り込まれています。単に問題点だけを取り上げたものではなく、具体的な改善案を示しているのは画期的でもあり、今後どれだけ部活動のあり方が改善されるかが重要なポイントにもなるでしょう。学校側だけでなく、保護者の問題点などもしっかりと取り上げている点も好感が持てましたし、教育現場の改善は個人的にも強く求めたいところです。

【満足度】 ★★★★☆
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2018年04月07日

『ホースマン 八ヶ岳南麓から世界へ』石黒健吉

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ホースマン 八ヶ岳南麓から世界へ [ 石黒建吉 ]
価格:1944円(税込、送料無料) (2018/4/7時点)




 オリンピックをはじめとする数々の国際・国内大会で愛する馬とともに戦い、競技界から引退した現在も馬術の指導・普及に努めている著者が、未来へといまなお続く軌跡を綴る。馬術に関する用語集も収録。

 日本馬術連盟理事、県馬事振興センター専務理事等を務めた石黒建吉氏による、馬と馬術への愛情にあふれた一冊。永く馬術競技に打ち込み、五輪をはじめとする数々の国際大会、また国体などでも選手・指導者として活躍した自身の馬術人生を凝縮。ポール・ラッシュ博士らとの出会いから馬術留学、かいじ国体のために見いだしたインパクトフジ号との歴戦や国内外大会経験を通じて感じたあるべき姿勢…。山梨文化学園の講師等を務めながら、現在も馬術の普及・振興に尽力する著者による、広くスポーツを愛し、馬術に関心のある読者には必読の書。

 本書は、総合馬術競技オリンピック選手であり、後にオリンピックチームの監督を務めた著者が自らの半生をまとめた一冊。永く馬術競技に打ち込み、五輪を始めとする数々の国際大会、また国体などでも選手・指導者として活躍した自身の馬術人生が凝縮されていて、読み応えある馬術人生です。

【満足度】 ★★★★
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2018年04月06日

『ぼくの村がゾウに襲われるわけ。 野生動物と共存するってどんなこと?』岩井雪乃




 アフリカのタンザニア、セレンゲティ国立公園の周辺の村では、ゾウの群れが村を襲い、村びとたちは命の危険にさらされている。動物を保護しながら人びとの暮らしを守るにはどうすればいいのかを考える。

 本書は、20年間タンザニアに通い続けている早稲田大学准教授の著者が、タンザニアでの実情をまとめたもの。アフリカ・タンザニアの農民はゾウが大群で押し寄せ、トウモロコシ畑を根こそぎ食べ尽くす被害に苦しんでいるとのこと。原因は欧米諸国が住民を無理矢理追い出してアフリカ最大の「動物保護区」を作ったことで、保護されたアフリカゾウは急増し、自然保護のために先住民の生活が脅かされる事態の実情が書かれています。もともとこの地域は、先住民が約200年の間、農耕や牧畜、狩猟を組み合わせて生活していましたが、1980年頃からアメリカの自然保護団体が「アフリカゾウが絶滅の危機にある」と騒ぎはじめ、ゾウが国立公園から出てきて周辺の村に入り、収穫目前の作物を食い尽くし、踏み荒らすようになった。その回数も被害面積も年年大きくなっています。ところがゾウはこの地域では保護動物とされているため処分することもできず、バケツをたたいて大きな音を出すか、懐中電灯の光を当てて脅かすかしか手段がないとのことで、現地の住民の視点から問題を浮かび上がらせていますが、野生動物との共存の難しさを強く感じた一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2018年04月05日

『物流大崩壊』角井亮一

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物流大崩壊 (宝島社新書) [ 角井亮一 ]
価格:842円(税込、送料無料) (2018/4/5時点)




 アマゾン、アスクルらが自前配送網の構築を開始するなど、ビジネスモデルの見直しを迫られている宅配業界では、軽貨物宅配ドライバーの熾烈な争奪戦が勃発中だ。物流の最前線を日米の物流とEC業界に通じた著者が解説する。

 2017年10月1日、ヤマト運輸は27年ぶりに基本料金を値上げすることを決定した。ネット通販の急拡大と、それに伴う宅配個数の増加が現場ドライバーの長時間労働を招き、ついにサービス維持の限界に達した。深刻な人手不足とドライバーを苦しめる再配達。宅配業界はいま、ビジネスモデルの見直しを迫られている。こうしたなか、アマゾン、ヨドバシカメラ、アスクルが自前配送網の構築を開始。宅配、小売業者が入り乱れてラストワンマイルを担う軽貨物宅配ドライバーの熾烈な争奪戦が勃発中だ。勝者は誰だ?

 本書は、宅配業界で起きている問題と、新たな試みを紹介したもの。同系統の本と比べて目新しさはなく、新鮮味は感じませんでしたが、物流インフラの危機的状況は分かりやすくまとめられています。

【満足度】 ★★★☆
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2018年04月04日

『ビギナーズ・ドラッグ』喜多喜久

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ビギナーズ・ドラッグ [ 喜多 喜久 ]
価格:1620円(税込、送料無料) (2018/4/4時点)




 中堅製薬会社で事務職を務める恵輔は、治療困難な難病に侵されている千夏に一目惚れする。自ら治療薬を創ればいい、と思い立った恵輔は、同期の研究員・理沙を巻き込み準備を始めるが、周囲の風当たりは強く…。

 中堅製薬会社・旭日製薬で事務職を勤める水田恵輔は、祖父が入居する老人ホームで出会った車椅子の女性・滝宮千夏に魅了され一目惚れをするも、彼女が治療不可能な難病に侵されていると知る。彼女のために自分は何もできないのか。悩む恵輔は、新規創薬テーマ募集の掲示を目にし、治療薬が無いなら創ればいいのだと思い立つ。同期の研究員・綾川理沙を巻き込み準備を始める恵輔だったが、創薬素人の思いつきに対する周囲の風当たりは強く……。次々と立ちはだかる困難、進行する千夏の病魔、恵輔のひたむきな努力と情熱の結末は……。

 物語は、素人の事務員が新薬開発に情熱を燃やす仕事小説。大手製薬会社で研究員を務めていた著者だからこそ、製薬会社の事情もリアルに描かれていて、特に製薬作りの過程は興味深かったです。キャラクターも個性的で、仕事だけではなく、恋愛話も交えていて、人間ドラマとしても面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2018年04月03日

『光の犬』松家仁之

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光の犬 [ 松家 仁之 ]
価格:2160円(税込、送料無料) (2018/4/3時点)




 北の町に根づいた一族と、その傍らでひとびとを照らす北海道犬の姿。100年にわたる一族の、たしかにそこにあった生のきらめきと生の翳りを、ひとりひとりの記憶をたどるように描き出す長篇小説。『新潮』連載を書籍化。

 北の町に根づいた一族三代と、そのかたわらで人びとを照らす北海道犬の姿。信州・追分に生まれ、助産婦となって道東の町・枝留にやってきた祖母。戦前に隆盛をきわめた薄荷工場の役員である祖父。川釣りと北海道犬が趣味の生真面目な父。子どもたちを頼みに生きる専業主婦の母。幼なじみの牧師の息子と恋をする歩。レコードと本に没頭する気難しい始。いずれも独身のまま隣に暮らす、父の三姉妹。祖母の幼少時である明治期から、50代になった始が東京から帰郷し、父母と三人のおばたちの老いにひとり向きあう現在まで、100年にわたる一族の、たしかにそこにあった生のきらめきと生の翳りを、ひとりひとりの記憶をたどるように行きつ戻りつ描きだす、新作長篇小説。

 本書は、北海道の東部の小さな北の町で3代続く添島家と、その飼い犬の100年にわたる人生が描かれる物語。家族がそれぞれに孤独感を抱えながらも、懸命にそれぞれの時を過ごし、世を去っていく姿が物語として表現されていますが、家族の軋轢、幼なじみとの恋と物理学の研究と活発に日々を過ごしながらも若くして病に倒れ亡くなる姉の姿、その一家のそばで孤独に生きる北海道犬……と壮大な人間家族ドラマが描かれています。家族3代の物語ということで、読み始めるまでは温かな家族愛が描かれる作品と思っていましたが、家族であるがゆえのぎこちなさや、根付いた土地や続く血筋など、家族の脆さが見事に表現されています。病や老いも真正面から描いて、人生の最期までがしっかりと描かれています。

【満足度】 ★★★★☆
ラベル:松家仁之 光の犬
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2018年04月02日

『星星の火 2』福田和代

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星星の火 2 [ 福田和代 ]
価格:1728円(税込、送料無料) (2018/4/2時点)




 警視庁保安課の上月は、中国人売春組織の摘発から〈赤い虎〉を知る。中国語の通訳捜査官・城は、池袋で起きた殺人事件から〈赤い虎〉に迫る。そして、ある男は〈赤い虎〉に接触し…。『小説推理』連載を単行本化。

 警視庁保安課の刑事・上月は、女子高生の売春組織を捜査していた。やがて中国人を中心にした別の組織を捕らえると、〈赤い虎〉なる存在を知らされる。一方、中国語の通訳捜査官・城は上月から聞いた〈赤い虎〉を探るべく動く。そして、池袋で起きた殺人事件からその端緒を掴む。事件の真相解明はもちろん、上月と城の私生活を巧みに織り込んだ警察小説のニュースタンダード。

 本書は、中国人組織の犯罪を描いた『星星の火』の続編となる第2弾。警察の中国語通訳。城(じょう)と中国残留孤児3世の李と、2人のそれぞれの立場から描かれており、残留孤児の問題や中国人犯罪が、警察小説としてスリリングな展開となっており、次の続編も今から楽しみです。

【満足度】 ★★★★
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2018年03月31日

『僕はロボットごしの君に恋をする』山田悠介

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僕はロボットごしの君に恋をする [ 山田 悠介 ]
価格:1080円(税込、送料無料) (2018/3/31時点)




 2060年、東京。人型ロボットを使った国家的極秘プロジェクトが進む中、プロジェクトメンバーの健が想いを寄せる咲の勤務先にテロ予告が届く。目的を達するために、暴走する研究者の狂気。健はテロを防ぎ、咲を守れるのか?

 2060年、3度目のオリンピック開催が迫る東京で、人型ロボットを使った国家的極秘プロジェクトが進んでいた。プロジェクトメンバーの健は、幼なじみで同僚の陽一郎、そして彼の妹の咲に助けられながら奮闘する。ところが、咲の勤務先にテロ予告が届き事態は急変した。目的を達するために、はてしなく暴走する研究者の狂気。はたして健は、テロを防ぎ、想いを寄せる咲を守れるのか? そしてラストに待ち受ける衝動と、涙の結末は? 男の打った最後の一手が、開けてはいけない扉を開ける!

 物語は、2060年の近未来の東京を舞台に、人型ロボットを使った極秘プロジェクトにまつわる事件が描かれた作品。非常に面白そうな設定ではありましたが、その設定が作品に活かされておらず、近未来小説としては中途半端な印象を受けました。

【満足度】 ★★★
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2018年03月30日

『星ちりばめたる旗』小手鞠るい

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星ちりばめたる旗 (一般書) [ 小手鞠 るい ]
価格:1836円(税込、送料無料) (2018/3/30時点)




 1916年、アメリカに暮らす幹三郎に嫁いだ佳乃は、やがて時代の激流に呑み込まれ…。時代に翻弄されながらも、ただひたすらに生きる三世代の母と娘たちの姿を描き出す。『asta*』連載に加筆し単行本化。

 1916年、既にアメリカに移住していた大原幹三郎のもとへ「写真花嫁」として嫁ぎ、海を渡った佳乃。幹三郎と佳乃の末っ子として、戦争間際にオレゴン州で生まれたハンナ。ハンナの娘である「私」、ジュンコ。三世代の母と娘たちの関係には、「日本」と「アメリカ」、そして「戦争」が大きな影を落としていた。

 本書は、史実を基にした日系3世代の物語。過酷な環境、人種差別、戦争…と3代に渡る日系アメリカ人家族の苦悩が、物語として丁寧な描かれ、とても印象に残る作品です。アメリカの日本人の強制収容所については、様々な本や映画などからも知ってはいましたが、巻末に参考資料が多数載っており、著者が丹念に調べて描いた背景もしっかりと感じ取ることができます。こうした日系アメリカ人の史実こそ歴史教科書でも取り上げるべきでもあり、渾身の一冊でもあります。

【満足度】 ★★★★☆
posted by babiru_22 at 18:59| Comment(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする