2020年08月18日

『東京ホロウアウト』福田和代

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東京ホロウアウト [ 福田 和代 ]
価格:2090円(税込、送料無料) (2020/8/18時点)




 オリンピック開催間近の東京で、道路を狙ったテロが発生! 分断される道路、届かない食料、回収されないゴミ。物流のプロ、長距離トラックドライバーたちが東京を救うため立ち上がる! 『ミステリーズ!』連載を加筆修正。

 2020年7月。オリンピック開催間近の東京で、新聞社宛に「開会式の日、東京を走るトラックの荷台に青酸ガスを仕掛ける」という予告電話がかかったのが全ての始まりだった。直後、配送トラックの荷台から青酸ガスが発生するテロが次々と起こる。更に、何者かが仕組んだトンネル火災や鉄道線路の土砂崩れなどの影響で道が閉ざされ、東京の食料が品薄になってしまう。物流が狙われ、陸の孤島となりかける東京。その危機に、物流のプロである長距離トラックドライバーたちが立ち向かう!

 本書は、オリンピック開幕直前に物流テロに襲われる東京を、トラックドライバーたちが救うサスペンス。物語では、物流を狙った連続テロが発生し、その後スーパーやコンビニの商品が品薄になり、SNSやマスコミでそれが広がり、更に商品がなくなる…というのは新型コロナウイルスの時と同じ構図でもあり、物流の重要性と臨場感を特に感じました。物語では、トラックドライバーの連携と使命感についても描かれますが、物流を止めないために頑張っているトラックドライバーの方々がいるからこそ、日々の生活が支えられていると改めて感じましたし、エンタメとしての作品としても面白かったです。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月17日

『逃亡者』中村文則

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逃亡者 [ 中村 文則 ]
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 第二次大戦下、ある作戦を不穏な成功に導いたとされる美しきトランペット。それを隠し持ち逃亡する男にはしかし、ある女性と交わした一つの「約束」があった…。『中日新聞』他連載を加筆修正し単行本化。

 「君が最もなりたくない人間に、なってもらう」 第二次大戦下、“熱狂”“悪魔の楽器”と呼ばれ、ある作戦を不穏な成功に導いたとされる美しきトランペット。あらゆる理不尽が交錯する中、それを隠し持ち逃亡する男にはしかし、ある女性と交わした一つの「約束」があった…。キリシタン迫害から第二次世界大戦、そして現代を貫く大いなる「意志」。中村文学の到達点。

 本書は、第二次大戦にまつわる伝説の楽器をめぐる物語。悪魔の楽器と言われるトランペットを所持したことから、追われる身となる主人公についての物語ですが、キリシタン迫害やベトナムの戦禍も含めて、神の存在への問いと悪魔の楽器と飛ばれたトランペットにまつわるエピソードによって展開されます。様々な要素が詰め込まれ、重厚な作品となっていますが、読み応えのある作品でした。

【満足度】 ★★★★
ラベル:中村文則 逃亡者
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2020年08月15日

『すごい準備 誰でもできるけど、誰もやっていない成功のコツ!』栗原 甚




 仕事でも恋愛でも、ちょっとした「準備」のコツさえつかめば、「自分の思い・考え」が相手にしっかり伝わり、「最高の結果」を手に入れることができる。日本テレビのプロデューサーが、「相手の心を動かす」技術を明かす。

 本書は、テレビ局のプロデューサーとして数々の交渉を成功させてきた著者が、そのコツとなる「準備」の大切さについてまとめたもの。準備の大切さは誰もが知るところでもありますが、具体的な例を紹介し、仕事だけでなく生活の場においても準備が必要ですが、どのように準備を進めていって、コミュニケーションで活用するかなど、参考になるところが多かったです。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月14日

『昭和の名騎手』江面弘也

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昭和の名騎手 (競馬ポケット) [ 江面 弘也 ]
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 天才、名人、闘将、鉄人、剛腕、名手…。昭和競馬は、騎手と馬が対になって甦る。福永洋一、武邦彦、加賀武見、増沢末夫、郷原洋行、岡部幸雄ら、往年の名騎手30人の騎手人生を追う。

 昭和の騎手たちには強い個性があった。レースにはスリルがあり、驚きがあった。日本競馬の礎となった大騎手がいた。世界をめざした先駆者がいた。大胆な騎乗でファンを沸かせた穴男がいれば、頑なに自分の乗り方を貫いた人もいた。……昭和競馬は、騎手と馬が対になって甦る。加賀武見、増沢末夫、武邦彦、郷原洋行、福永洋一、岡部幸雄ほか、昭和に輝いた30人の名ジョッキー列伝。

 本書は、昭和の時代に活躍した名騎手30人を取り上げた一冊。本書で登場するのは、順に、渡辺正人、蛯名武五郎、高橋英夫、保田隆芳、野平祐二、古山良司、栗田勝、加賀武見、増沢末夫、武邦彦、高橋成忠、横山富雄、吉永正人、中島啓之、郷原洋行、嶋田功、大崎昭一、菅原泰夫、田島良保、小島太、安田富男、福永洋一、柴田政人、岡部幸雄、西浦勝一、小島貞博、南井克巳、河内洋、的場均、田原成貴……の30人で、現役時代を知らない騎手もいましたが、それぞれの騎手にスポットを当て、往年の競馬ファンなら過去のレースもつい思い出してしまう一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月13日

『沁みる競馬』平松さとし

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沁みる競馬 [ 平松 さとし ]
価格:1375円(税込、送料無料) (2020/8/13時点)




 互いに認め合う天才、武豊とフランキー・デットーリ。ある厩務員が抱く4千勝ジョッキーへの想いと願い…。騎手、調教師、馬主など競馬関係者たちの感動秘話第2弾。『Yahoo!ニュース個人』連載に書き下ろしを加える。

 大好評『泣ける競馬』から1年……待望の第2弾! 競馬のすべてを取材してきた著者が、さまざまなシーンの舞台裏……騎手、調教師、馬主らホースマンたちの心に染みるエピソードを綴った一冊。

 本書は、前作『泣ける競馬』に続いて、31もの様々な競馬エピソードをまとめたもの。競馬の世界で戦う騎手、厩務員、調教師、牧場スタッフ等々の人間ドラマが紹介されており、それぞれのホースマン達の熱い思いが伝わる一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月12日

『植物はなぜ毒があるのか 草・木・花のしたたかな生存戦略』田中修/丹治邦和




 多くの植物が毒をもつのは、芽や、成長に必要な部分を食べられないための生存戦略。過去10年の食中毒被害データを中心に、生き残るために植物がつくり出す様々な毒と特徴を紹介。有毒植物と人間の関わりも楽しく解説する。

 トリカブトのようなよく知られたものだけではなく、じつは多くの植物が毒をもつ。例えばジャガイモは芽のみならず、未熟な状態や緑化した状態で毒をもち、毎年食中毒被害がおきる。それらは、芽や、成長に必要な部分を食べられないための植物のしたたかな生存戦略だった。過去10年の食中毒被害データを中心に、生き残るために植物がつくり出す様々な毒と特徴を紹介。また、古より植物の毒を薬に転じてきた人間の知恵と最新の医学情報まで、有毒植物と人間の関わりを楽しく解説。

 本書は、植物の毒をテーマに、植物と人間との関わりについて分かりやすく書かれたもの。実に様々な植物が毒をもっていることが分かりますが、その植物の毒のマイナスとプラスについても、植物の毒の危険性だけでなく、その有用性を含めて多角的に解説しています。多くの植物が取り上げられており、薬との飲み合わせの悪い植物など、最新の医学情報も押さえているので有用です。

【満足度】 ★★★★☆
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2020年08月11日

『産業医が診る働き方改革 増補改訂版』産業医科大学編

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産業医が診る働き方改革 増補改訂版 [ 産業医科大学 ]
価格:899円(税込、送料無料) (2020/8/11時点)




 働き方改革の第一歩は、働く人の心身の健康から…。子育て・介護・病気治療と仕事の両立、ストレスや残業のない労働環境の整備など、働く現場の課題と対策を産業医がポイント解説する。加筆し再編集した増補改訂版。

 本書は、働く現場の健康課題を熟知する産業医が具体的な事例をもとに予防・改善策を解説したもの。ストレスの軽減や労働時間短縮などについて具体的にアドバイスしている他、食品や薬剤の製造工場で起こる職業性アレルギーや老眼対策、認知症の早期診断に関しての説明と指導も書かれており、労働環境について考えさせられる一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月10日

『掃除屋 プロレス始末伝』黒木あるじ




 依頼を受け、相手をリング上で制裁する「掃除屋」。ベテランレスラーのピューマ藤戸はそんな裏の顔を持つ。様々な事情を抱える依頼人から高額な報酬をせしめる背景にあるのは…。『小説すばる』連載に加筆修正し文庫化。

 依頼を受け、相手をリング上で制裁する「掃除屋」。ベテランレスラーのピューマ藤戸はそんな裏の顔を持つ。様々な事情を抱える依頼人から高額な報酬をせしめる背景には、リング禍で今なお意識が戻らない親友の存在があった。身体に爆弾を抱えた藤戸が、最後の対戦相手に選ぶのは…。プロレスファンなら感涙必至、そうでなくとも胸が熱くなる哀愁ただよう男の美学の物語。本当の強さが、ここにある。

 物語は、49歳のベテランプロレスラーの主人公が、個人や団体の依頼により、試合中のリングで対戦相手のレスラーを人知れず制裁、粛清する「掃除屋」稼業についてが描かれる連作プロレス小説。試合の臨場感が伝わり、著者のプロレス愛を感じる作品です。

【満足度】 ★★★☆
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2020年08月08日

『十字架のカルテ』知念実希人

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十字架のカルテ [ 知念 実希人 ]
価格:1540円(税込、送料無料) (2020/8/8時点)




 日本有数の精神鑑定医・影山司の助手に志願した新人医師・弓削凛は、犯罪者の心の闇に対峙していく。究極の頭脳戦の果てに影山が見据える未来とは。凛が精神鑑定を学ぶ理由とは…。『STORY BOX』掲載を単行本化。

 正確な鑑定のためにはあらゆる手を尽くす……日本有数の精神鑑定医・影山司の助手に志願した新人医師・弓削凛は、犯罪者の心の闇に対峙していく。究極の頭脳戦の果てに、影山が見据える未来とは。そして凛が精神鑑定を学ばねばならない理由とは……。

 本書は、刑法39条を題材に、精神疾患を持つ人物が罪を犯したときどう裁かれ、罪と向き合っていくのかを描いた連作小説。精神疾患による犯罪か否かを診断する、精神科医の立場から、心の闇を覗いていきますが、考えさせられる部分も多く、法と罪についてを心理描写も含めて丁寧に描いた作品です。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月07日

『小説 ブラックジャック』瀬名秀明

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小説 ブラック・ジャック (APeS Novels) [ 手塚 治虫 ]
価格:1650円(税込、送料無料) (2020/8/7時点)




 瀬名秀明の書き下ろし小説で「ブラック・ジャック」が蘇る! 「医療ロボット」「iPS細胞」「終末期医療」などの現代医療、さらにはそれを飛び越え近未来をも予感させるテーマで、ブラック・ジャックの活躍を描く。

 本書は、「Ai」「iPS細胞」「終末医療」など現代的なテーマのもと、孤高の天才外科医・ブラックジャックが、進化する最先端医療の中で、どこまで患者を救うのかを描いた作品。もしもブラックジャックが現代にいたら…として物語が描かれますが、ブラック・ジャックの活躍は勿論のこと、それぞれの事情を抱えた患者や医師たちと、無免許の天才外科医の邂逅が紡ぎ出すヒューマンドラマとなっています。更にピノコやドクター・キリコといった作品キャラクターも登場し、思わぬ手塚キャラたちとも再会できる小説です。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月06日

『ゴーンショック 日産カルロス・ゴーン事件の真相』朝日新聞取材班




 2018年11月19日、電撃逮捕。2019年12月29日、国外逃亡。日本のみならず、世界中を騒がせた「ゴーンショック」。なぜ日本企業では類を見ない不正を日産は許したのか。迫力の調査報道ノンフィクション。

 検察はなぜゴーン逮捕に踏み切ったのか? ゴーン追放は「クーデター」だったのか? 仏大統領マクロンvsゴーン。どんな確執があったのか? 家庭の問題。孤独な青年時代。ゴーンの生い立ちとは? ゴーンによる恐怖政治と会社「私物化」の実態とは? 電撃逮捕の世界的スクープを放った朝日新聞ならではの圧倒的取材力を駆使。迫力の調査報道ノンフィクション。

 本書は、カルロス・ゴーン氏の、逮捕から逃亡に至るまでのいきさつ一連の報道をまとめたもの。東京地検特捜部の捜査の動きや特捜部の事件の見立てもよく分かり、逮捕に始まり、立件への動き、日産の経営のその後の展開から同被告の国外逃亡までの流れが4部構成で描かれており、企業統治とはどうあるべきなのかも考えさせられるノンフィクションです。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月05日

『激動の昭和名馬列伝』中川秀一

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激動の昭和名馬列伝 [ 中川 秀一 ]
価格:1760円(税込、送料無料) (2020/8/5時点)




 アサカオー、ハイセイコー、トウショウボーイ、シンボリルドルフ、オグリキャップ…。日本競馬に携わり、大物ホースマンとも 親交があった団塊の世代の著者が、昭和後期の名馬たちを当時の世相と裏話を交えて綴る。

 物語は日本が高度成長期に入らんとする昭和35年から始まる。「日本の3大コダマって知ってるか?」近鉄バファローズの小玉選手と特急こだまと並ぶ少年たちの人気者だったのは競走馬のコダマだった。筆者が競馬と出会ったのは小学6年生の時。その後、一競馬ファンからホースマンとなる。故・吉田善哉氏などの大物ホースマンと交流し、競馬シーンを内から見続けてきた。激動の昭和日本の世相と空気とともに数多の名馬たちが躍動した時代を綴る。

 本書は、昭和に活躍した名馬たちの秘話を世相とともに綴った一冊。競馬のオールドファンであれば、当時の世相と共に懐かしい記憶が甦る内容で、大物ホースマンと交流し、競馬シーンを内から見続けてきた著者だからこそ知る裏話なども興味深かったです。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月04日

『キミのお金はどこに消えるのか 令和サバイバル編』井上純一




 ついにきた消費税増税! 老後の資金2000万円!? 豊かで幸福な生活を送るために、お金のことをもっと知る! 「中国嫁日記」の著者による経済マンガ。『文芸カドカワ』掲載に加筆。

 不動産投資、保険、給料、バーゲンセール、貯金……などなど、身近なところから経済に迫る! 消費税10%時代をどう生き延びるのか? 日本の経済政策は失敗の象徴? 豊かで幸福な生活を送るために、お金のことをもっと知る! ……『中国嫁日記』の著者が贈る、かなり本気の経済マンガ。

 本書は、マンガではあるものの、経済についてが非常に分かりやすく描かれたもので、消費と生産性、消費税と物価の関係性などから現在の消費増税がいかに逆行した施策であるかについても分かりやすく紹介しています。本著を読めばデフレ時にするべきは減税で増税はありえないという理由がよく分かりますし、この点についての経済に対する考えは理解できるだけに、面白い一冊でした。

【満足度】 ★★★★
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2020年08月03日

『コンビニチェーン進化史』梅澤 聡




 今や「街のインフラ」としての地位を占めるまでになったコンビニ。なぜコンビニはここまで消費者需要を取り込み続けられたのか。元『月刊コンビニ』編集長が、その驚異的な進化の歴史と新たな展望を解説する。

 「コンビニエンス・ストア」は、「便利な小売店」の枠を超えて、今や「街のインフラ」としての地位を占めるまでになっている。そこには、徹底したドミナント戦略、3000を超える商品の供給・流通網の整備、販売機会を逃さない単品管理システムの導入、コンビニ食開発による新規需要創造、チケット端末やATMをはじめとしたサービス機能の拡充など、数々の革新があった。なぜコンビニは、ここまで消費者需要を取り込み続けられたのか。果たして今後も、持続的に成長していける業態なのか。元「月刊コンビニ」編集長が、その進化の歴史と展望を解説する。

 本書は、コンビニ創成期から現在の24時間営業問題に至るまでの過程を、当時の経営者の言葉を引用しながら解説したもの。セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートの三大チェーンに限らず、全国各地の中小のチェーンを含め総覧しており、コンビニの系譜を紹介するほか、巨大な流通システム、主力商品である「コンビニ食」、サービス産業を取り込むインフラについても解説しています。

【満足度】 ★★★★☆
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2020年08月01日

『奇妙な死体のとんでもない事情』巽 信二




 犯罪を否定する遺体、社会の病理に斃れた声なき犠牲者たち、遺族との寄り添い方、震災という慟哭の現場、もの言わぬ遺体から授けられた教え…。死体と向き合い続けて40年の法医学者が、記憶に残る事件を語る。

 推理小説やテレビドラマの世界では、監察医は死体を鑑定し、事件の真相を鮮やかに解明していく。しかし現実は、そう一筋縄ではいかない。ときに死因の特定に呻吟し、しばしば遺族の無念に思いを馳せる…。死体と向き合い続けて40年の法医学者が目を瞠った衝撃のリアル!

 本書は、2万体以上を検死した法医学者でもある著者が、記憶に残る事件の検死についてを語る一冊。文章を通して、著者の誠実さが伝わり、遺体から分かる事件の事情について興味深かったです。

【満足度】 ★★★★
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2020年07月31日

『ウラもオモテもわかる 哲学と宗教』島崎 晋

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ウラもオモテもわかる哲学と宗教 [ 島崎晋 ]
価格:1430円(税込、送料無料) (2020/7/31時点)




 ソクラテス、老子、カント、キリスト教、イスラーム、神道…主だった哲学者32人と8つの宗教のすごい教えを、驚きの裏話とともに紹介。偉人たちの人間臭い一面を楽しみながら、今を生き抜くヒントがつかめる。

 哲学と宗教は人生訓の宝庫とはいえ、一冊の哲学書だけでも読破するのは大変。難解な内容を理解しようとすれば、苦痛以外の何物でもありません。そこで本書は主だった哲学者と宗教の解説し、そこから得られる人生訓を記しました。一方で、雑学として「ざんねん」な部分も紹介し、どの宗教・哲学者も万全・聖人ではなく、むしろ人間味があることを示しました。本書は哲学と宗教を簡単に理解しながら、人生のヒントを得られる異色の書です!

 本書は、偉大な哲学者32人の生き様と、8つの宗教の“今を生き抜くヒントが見つかる”エッセンスを収録し、偉人や宗教のオモテとウラを紹介したもの。特に驚きのウラ話は興味深かったです。

【満足度】 ★★★★
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2020年07月30日

『オランダ商館長が見た 江戸の災害』フレデリック・クレインス




 明暦の大火、元禄地震、雲仙・普賢岳の噴火…。江戸時代の人びとは災害をいかに生き抜いたのか。歴代のオランダ商館長の克明な記録をもとに、災害列島を生きる日本人の姿に迫る。磯田道史による本文解説付き。

 ハーグ国立文書館に埋もれていた記録は何を語るか? 地震や火事の向こうに日本社会が見えてくる! 明暦の大火、元禄地震、雲仙・普賢岳の噴火、京都天明の大火……平成、令和の時代と同じように災害の多かった江戸時代。人びとはいかに災害を生き抜いたのか? 被災直後の江戸城内での将軍への謁見、町で復興に励む市井の人びとなど。歴代のオランダ商館長の克明な記録をもとに、災害列島を生きる日本人の姿に迫る。

 本書は、江戸時代、長崎に置かれたオランダ商館のトップにあたる商館長がつけていた日記を元に、江戸の大火や地震、長崎の雲仙・普賢岳の噴火など国内各地で起きた災害の克明な記録から、異国の災害を商館長らはどのように見ていたのか。そして、当時の日本人は災害とどう向き合っていたのかをまとめたもの。著者が解読した内容をもとに、商館長たちの行動や観察記録を克明に紹介し、加えて数ページごとに背景や当時の事情などについての解説が入る、という丁寧な構成で、異国で未曽有の災害に遭遇したオランダ人は、何を考えてどう対応したのか。日本人の行動について、どんな感想を持ったのかリアリティたっぷりに再現されています。

【満足度】 ★★★★
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2020年07月29日

『アメリカン・プリズン 潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス』シェーン・バウアー




 刑務官の時給は9ドル、丸腰で1人あたり176人の受刑者を監視…。刑務官として実際に勤務した記者が見た、民営刑務所の実態。囚人たちから利益をあげる政府や企業が築きあげた仕組みとは。衝撃のノンフィクション。

 イランで投獄されたことで、アメリカの刑務所問題に関心を持った著者。身分を隠して面接を受け、アメリカ最大の刑務所運営会社が運営する刑務所で刑務官として働きはじめる。時給はウォルマートのアルバイトと同じ9ドル。利益を出すため経費は切り詰められ、人手不足が常態化し、トラブルは隠蔽。その背景には、奴隷制度以降、囚われの人々を使って利潤を上げようとするアメリカの暗部があった……。本書の元になった記事が時の政府を動かすほどに衝撃を与え、全米で話題を呼んだ傑作ノンフィクション。

 本書は、全米150万人の受刑者のうち、約13万人を収容する民営刑務所の秘密主義に覆い隠されている実態を明らかにするため、ジャーナリストの著者が刑務官募集に応募して潜入取材した様子をまとめたもの。アメリカの服役囚のおよそ一割弱が収容されている民営刑務所の実態を明らかにすべく、潜入取材を試みた4ヵ月間のルポでもありますが、刑務官という危険で精神的負荷の大きい仕事にも関わらず、時給がわずか9ドルで、大半の一般囚が寝起きする雑居房が44人もの大部屋であることや、その大部屋が計8室あるひとつの棟につき、受刑者を直接監視する刑務官がたったふたりしか配置されておらず、一般の刑務官は奪われる危険があるから銃はおろか警棒も催涙スプレーも携帯していないなど、驚くべき実態が明らかになっています。潜入取材を試みた4ヵ月の間には様々な事件やトラブルが続発し、その状況も書かれていますが、アメリカの刑務所ビジネスの闇の奥が白日のもとに晒されています。

【満足度】 ★★★★☆
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2020年07月28日

『雨に消えた向日葵』吉川英梨

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雨に消えた向日葵 [ 吉川英梨 ]
価格:1760円(税込、送料無料) (2020/7/28時点)




 坂戸市の小5の少女・葵が失踪。誘拐か、家出か、事故か。葵が男につきまとわれたという姉の供述を受け、捜査一課の奈良も坂戸市に急行する。情報が錯綜し、家族が焦燥に駆られるなか、執念の捜査で真相に迫っていく…。

 埼玉県坂戸市で小学5年の石岡葵が失踪した。最後に目撃されたのは豪雨の中をひとりで歩く姿。現場には傘一本しか残されていなかった。誘拐か、家出か、事故か。葵が一か月前に同じ場所で男につきまとわれたという姉の供述を受け、県警捜査一課の奈良健市も坂戸市に急行した。二転三転する証言、電車内で発見された葵の私物、少女に目を付けていたという中学生グループ……。情報が錯綜し、家族が激しく焦燥に駆られるなか、執念の捜査で真相に迫っていく。

 本書は、失踪した小学5年生の美少女を追う刑事を描いた警察ミステリ。地道でリアルな捜査が描かれ、少女の家族の物語、刑事の物語、人の善意と悪意……がうまく絡まり、読み応えある作品です。

【満足度】 ★★★★
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2020年07月27日

『落日』湊かなえ

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落日 [ 湊かなえ ]
価格:1760円(税込、送料無料) (2020/7/27時点)




 新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督・長谷部香から、新作の相談を受けた。香は15年前に起きた、判決も確定している「笹塚町一家殺害事件」を手がけたいというが…。絶望の淵を見た人々の祈りと再生の物語。

 新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。『笹塚町一家殺害事件』引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた。15年前に起きた、判決も確定しているこの事件を手がけたいという。笹塚町は千尋の生まれ故郷だった。この事件を、香は何故撮りたいのか。千尋はどう向き合うのか。“真実”とは、“救い”とは、そして、“表現する”ということは。絶望の深淵を見た人々の祈りと再生の物語。

 本書は、家族の在り方を問う物語。脚本家の真尋と映画監督の長谷部香の2人の過去にまつわる隠された真実について、著者らしい展開で進んでいきます。これまでの著者の作品と比べると、やや物足りなさは感じましたが、未来に目を向けるラストは良かったです。

【満足度】 ★★★★
ラベル:湊かなえ 落日
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