「生け贄」として埋められる子ども。78歳の老人に嫁がされた9歳の少女。銃撃を逃れて毒ナタを振るう少年。特派員としてアフリカの最深部へ肉迫した3年間。生々しさゆえにお蔵入りとなった膨大な取材メモが残された…。ノンフィクション賞を次々と受賞した気鋭のルポライターが、閉塞感に包まれた現代日本に問う、むき出しの「生」と「死」の物語。
本書は、朝日新聞記者でルポライターの著者が、アフリカ特派員時代の未発表メモをもとにした、アフリカの実情を伝える短編ルポ・エッセイ集。テロや紛争と背中あわせで生きる、市井の人々の日常、苛酷な運命に翻弄されつつも、逞しく生きる人々の笑顔、壮大な自然の美しさなど、バラエティに富んだ34編が収録されています。経済成長の裏側、内戦の実情など、報道の裏側ともいえる知られざるアフリカが書かれており、インパクトの強いルポでした。
【満足度】 ★★★★