2025年12月24日

『最新 日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技』和田美代子




 「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録! 水と米から造られ、かくもバラエティ豊かで芳醇な味を持つ日本酒。その科学に迫る。

 「國酒」として長く親しまれ、いまや“SAKE”として世界にも広がる日本酒。水・米・麹というシンプルな原料から生まれる味わいは、実に奥深く、多彩な表情を見せてくれます。その陰には、微生物たちの繊細な働きと、日本の伝統、自然の恵み、そして緻密な醸造技術があります。本書を読めば、「甘口か辛口か」だけでは語れない、日本酒の真の魅力に出会えるはずです。

 本書は、科学的な視点から、日本酒がどのように造られ、どのような魅力を持つのかを詳細に解説した一冊です。原料である水・米・麹の秘密から、微生物(麹菌、酵母など)の繊細な働き、そして伝統的な醸造技術の裏にある化学的なメカニズムを分かりやすく解き明かします。酒米と仕込み水の個性、麹と酵母の役割などの伝統技法の科学的な意味合いなど、日本酒の製造に関する専門的な内容が、平易な文章で解説されているため、初心者でもスムーズに読み進められ、「甘口か辛口か」だけでは語れない、日本酒の香り(吟醸香など)や味の複雑なバラエティが、どのような化学成分から生まれるのかを学べます。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 20:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年12月23日

『総合診療医が徹底解読 健康診断でここまでわかる』伊藤大介




 血圧、血糖値、コレステロール……健康診断を活かせていない人があまりに多い! 深刻な病気を防ぐための画期的な活用術を徹底紹介。

 ほとんどの人が活かしきれていない…。深刻な病気から生活上の悩みに至るまで、年間3万人の患者を診察する人気の総合診療医が、「がん」「心筋梗塞」「脳卒中」などを防ぐ画期的な健康診断の活用術をわかりやすく紹介する。

 本書は、多くの患者を診察する総合診療医である著者が、健康診断の結果を「宝の地図」として最大限に活用する方法を解説した一冊です。単にA〜E判定に一喜一憂するのではなく、各数値の本当の意味と、それを元に深刻な病気を防ぐための具体的なアクションを、最新のエビデンスに基づいて紹介しています。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 20:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年12月22日

『生成AI時代にこそ学びたい自分で文章を書く技術』松井謙介




 生成AIには書けない、“全人類執筆者時代”を生き抜くための文章作成ルールブック。

 生成AIの進化により、議事録やレポート、マニュアルといった事務的な文章は効率的に自動化できるようになりました。しかしビジネスの現場では、それだけでは不十分。企画書や提案書、人材募集文、オウンドメディアの記事など……人の感情を動かし、行動へとつなげる文章には、書き手自身の思考や意見、そして「相手にどう動いてほしいか」という意図が不可欠です。最新のAIは流麗な文章を生み出し、表現力も増しています。しかし、「誰に向けて、何を伝えるのか」という視点は、人間にしか持ち得ません。読み手を意識し、関係性を踏まえて言葉を選ぶことこそが、成果を生む文章の鍵なのです。本書では、生成AI時代にあっても欠かすことのできない「自分で書く力」を、実践的かつ最新のテクニックとともに解説。あなたの仕事に直結する「伝わる文章術」をお届けします。

 本書は、生成AIが急速に普及する今、人間がどのように自分の言葉で考え、伝える力を保つべきかを丁寧に解説した実践的な指南書で、著者は、AIが生み出す文章は一見うまく整っていても「自分の思考」や「感情」が欠けていると指摘し、人間が文章を書く意義を「自分の頭で考え抜き、相手に伝える行為」にあると説き、テーマ設定、構成、語彙の選び方、読者を意識した表現法など、具体的な文章術も多数紹介しています。さらに、AIを“書くための補助ツール”としてどう活かすかについても現実的に示されていて、参考になる一冊でした。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年12月20日

『相馬眼が見た夢』河村清明




 なぜダービーを勝てなかったのか。なぜこんなにも愛されたのか。“マイネル軍団総帥” 岡田繁幸の生涯に迫ったノンフィクション。

 マイネル軍団総帥、反骨の71年。競走馬に狂う人たちの魂に届くノンフィクション。なぜダービーを勝てなかったのか。なぜこんなにも愛されたのか。コスモバルク、ステイゴールド、ゴールドシップ、サイレンススズカ、マイネルラヴ、スーパークリーク、ウインブライト、ナリタブライアン、グランパズドリーム、ユーバーレーベン…名馬との秘話が明らかに!

 本書はサブタイトルに「岡田繁幸がサンデーサイレンスに刃向かった日々」とありますが、「マイネル軍団総帥」として知られ、独自の相馬眼で多くの活躍馬を送り出した競馬界の風雲児、岡田繁幸氏の波乱に満ちた生涯を描いたノンフィクション。特に、日本の競馬界を席巻した大種牡馬サンデーサイレンスに刃向かい、独自の路線で良血馬に挑み続けた反骨の生き様に焦点を当てています。競馬界の発展に心血を注ぎ、業界を盛り上げようとしたその生き様、ライバルである社台グループとの因縁、サイレンススズカやナリタブライアンを巡る秘話、ステイゴールドやゴールドシップを種牡馬として獲得した舞台裏など、競馬史に残る出来事の裏側が明かされています。他にも、日本ダービー2着のグランパズドリームの悲劇や、岡田兄弟の物語など、知られざる人間ドラマが胸を打つ感動の競馬ノンフィクションです。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 19:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年12月19日

『13月のカレンダー』宇佐美まこと

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

13月のカレンダー [ 宇佐美 まこと ]
価格:2,200円(税込、送料無料) (2025/12/19時点)




 亡き祖父母の空き家相続を持ちかけられ、松山を訪れた侑平。祖父の書斎には13月まである不思議なカレンダーと、脳腫瘍を患った祖母の病状を綴ったノートが。侑平は祖母が広島出身だと知り…。『小説すばる』連載を単行本化。

 両親の離婚以来、疎遠だった父方の亡き祖父母の空き家相続を持ちかけられた侑平は、15年ぶりに松山の地を踏んだ。そして祖父の書斎にあった書類の中から、13月まである不思議なカレンダーと、脳腫瘍を患った祖母の病状を綴った大学ノートを見つける。読み進めるうち、侑平は祖父母のことを何も知らなかったという事実に消沈し、さらに祖母が広島出身で、その兄は原爆で亡くなっていたということを近所の人から初めて知らされる。2人を知る関係者に会うため広島へと赴いた侑平。そこで語られた、原爆投下前後の真実とは…。

 本書は、「存在しないはずの13月」をめぐって展開する、時間と記憶をテーマにした幻想的な作品。ある日、カレンダーに“13月”の記載を見つけたことから、主人公は現実とは少しずれた不思議な世界へと引き込まれていきます。そこでは過去に失われた人々や、置き去りにした感情が再び現れ、時間の流れや人生の意味を静かに問いかけてきます。物語はミステリーの要素を含みながらも、焦点は「人の記憶と喪失」「再生の可能性」にあり、美しい筆致と静謐な世界観で、読者に“もし時間をやり直せたら”という想像を促しつつ、最終的には「今をどう生きるか」という普遍的なテーマへと導きます。幻想文学としても、人生の物語としても心に残る一冊です。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年12月18日

『飼い犬に腹を噛まれる』彬子女王/ほしよりこ

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

飼い犬に腹を噛まれる [ 彬子女王 ]
価格:1,485円(税込、送料無料) (2025/12/18時点)




 私は自他共に認める事件体質である。ささいなことから、めまいがするような大事件まで、日常的にいろいろ起こる−。彬子女王殿下のエッセイ集。ほしよりことのスペシャル対談も収録。『京都新聞』連載他を加筆・補整。

 本書は、皇族という特別な立場に生まれた著者が、信頼していた人に裏切られた経験をきっかけに、「人を信じること」「公と私のはざまで生きること」を深く見つめ直したエッセイ。身近で信頼していた人物からの裏切りによる心の痛みを率直に語りつつも、単なる告白や批判ではなく、人間関係の難しさや誠実であることの意味を静かに問いかけており。皇族としての務めや日常、研究者としての姿勢、そして一人の人間としての悩みや孤独も丁寧に描かれています。華やかさの裏にある人間らしい苦悩と誠実な言葉が響く一冊です。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年12月17日

『荒野に果実が実るまで 新卒23歳アフリカ駐在員の奮闘記』田畑勇樹




 大学卒業と同時にNPOに就職しウガンダに駐在。飢えに苦しむ住民たちの命の危機に直面して、彼らが農業を営めば胃袋を満たすことができるのではないかと思い立ち…。飢餓援助の渦に飛び込んだ著者が、国際援助の実態を綴る。

 大学卒業と同時にNPOに就職しウガンダに駐在した著者は、深刻な飢えに苦しむ住民たちの命の危機に直面。絶望的な状況を前に、住民たちがこの荒野で農業を営めば、胃袋を満たすことができるのではないかと思い立つ。天候とのたたかいや政治家たちの妨害など、さまざまな困難に直面する著者。当時の手記を元に援助屋のリアルを綴った奮闘記である今作は、2024年第22回開高健ノンフィクション賞最終候補作にも選ばれる。「不可能なんて言わせない」、飢餓援助の渦に飛び込んだ23歳が信じた道とは?

 本書は、京都大学農学部を卒業後、すぐにNPO職員としてアフリカ・ウガンダに駐在した著者(当時23歳)の国際援助の現場での奮闘を描いたノンフィクション。深刻な飢餓に直面する村で、一時的な食料援助ではなく、住民が自立できる農業支援プロジェクトを立ち上げ、数々の困難を乗り越えていくリアルな記録です。飢餓や紛争の影、そして援助構造の歪みや汚職といった国際援助の「光と影」が赤裸々に描かれており、現地での予期せぬトラブル(役人の妨害、業者の裏切り、天候との戦いなど)など、アフリカの厳しい現実も知ることができます。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 19:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年12月16日

『コロナ後遺症 治らない“慢性不調”の正体』平畑光一




 動けないほどの疲労、いつまでも残る体の痛み…。コロナ後遺症患者を診続けた医師が、コロナ後遺症の概要、考えられる原因、行っている検査、日常生活での注意点、東洋医学を含む治療法、セルフケアを分かりやすく解説する。

 医者に行ってもはっきりしないこんな症状、ありませんか?「動けないほどの疲労」「気持ちの落ち込み」「いつまでも残る体の痛み」…。コロナ後遺症患者を診続けた医師からの最新報告!劇的に回復を見せたセルフケア法も紹介!

 本書は、は、コロナ感染後に続く「倦怠感」「息苦しさ」「脳のもや」などの原因と治療の実態を、医師の臨床データと患者の声を交えて解き明かす一冊。ウイルス後遺症だけでなく、自律神経や免疫の乱れなど複合的な要因を丁寧に説明し、「見えない不調」に苦しむ人への理解と希望を与えてくれます。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年12月15日

『教養としてのコーヒー』井崎英典

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

教養としてのコーヒー (SB新書) [ 井崎英典 ]
価格:1,045円(税込、送料無料) (2025/12/15時点)




 アジア人で初めてワールド・バリスタ・チャンピオンシップで優勝した、世界一のバリスタ(第15代ワールド・バリスタ・チャンピオン)が歴史、地理から時事問題、嗜み方まで、コーヒーの教養を1冊に詰め込みました。

 読むほど深いコーヒーのめくるめく世界。人はなぜこんなにもコーヒーを愛してやまないのか。秘密を解き明かすべく、アジア人初のバリスタ世界チャンピオンの著者が歴史から現代コーヒービジネスの最前線まで案内。100円台で買えるコンビニコーヒーもあれば、至高のスペシャルティコーヒーもある。マスターのこだわりの一杯もあれば、家で思い思いに楽しむ一杯もある。世界第4位の消費量を誇るコーヒー大国日本の深みを知る一冊。

 本書は、世界的なバリスタとして活躍する著者が、「コーヒーとは何か」を歴史・地理・文化・ビジネス・抽出技術など多角的に捉え、「一杯のコーヒーをもっと味わい深くするための教養」に位置づけた一冊。「なぜ日本ではドリップが主流か」「気候変動でコーヒー栽培に危機が迫る」など、身近な飲み物であるコーヒーを通じて世界が見えてくる構成で、コーヒーを「嗜好品」だけでなく、「世界史」「産業構造」「地政学」といった教養の視点で捉え直し、コーヒー文化の時代的な変遷、日本独自の喫茶文化など、豆知識としても楽しめました。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 22:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年12月13日

『極秘文書が明かす戦後日本外交 歴代首相の決断に迫る』藤田直央




 日米安保と岸信介の誤算、日米経済摩擦と中曽根康弘の苦悩、天皇訪中と宮沢喜一の決断……。戦後日本外交の軌跡には、各国首脳との数々の暗闘が繰り広げられていた。朝日新聞記者によって発掘、外務省から開示された「公文書」から新事実を明らかにしていく。

 本書は、戦後から現代に至る日本の外交史を、歴代首相の決断を軸に、未公開・機密に近かった公文書(外交文書)を手がかりに読み解いた一冊。岸信介の日米安保改定・誤算、中曽根康弘 の日米経済摩擦・苦悩、宮沢喜一 の天皇訪中・決断などが取り上げられ、決断の背景には「国内政治」「米国との関係」「経済圧力」「国際情勢の変化」など複合要因が絡み、首相一人の意志だけで動いたわけではないという掘り下げがなされています。資料的価値と読み物としての面白さが両立している一冊で、興味深い内容でした。

【満足度】 ★★★★
posted by babiru_22 at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする