昨日から出ていたニュースで、今日の北海道新聞朝刊の社会面にも大きく取り上げられていましたが、地元のニュースでもあり、馬産地事情と合わせて、新聞やネットニュースで書かれていない部分も書いてみようと思います。
このニュースについては、北海道新聞サイトでの
「軽種馬牧場で外国人不法就労 牧場主も逮捕 新ひだか」
にて、G1馬のヒシミラクルやオサイチジョージを生産した名門牧場の大塚牧場で、牧場主・牧場長・調教師が共謀し、就労資格のない外国人に仕事をさせていたとして逮捕されたニュースが分かるかと思います。
表向きのニュースとしては、就労資格のない外国人を働かせていたとしての逮捕までしか書かれていませんが、この事件の背景には馬産地を取り巻く厳しい環境の実態が浮き彫りとなっています。
この大塚牧場については、地元に住んでいますから、経営不振の噂は以前から聞いており、ヒシミラクルでG1勝ちをしたものの、その後は活躍する生産馬が現れず、かなり経営が悪くなっているという話は噂として聞いていました。
大塚牧場は、生産の他に競走馬の育成もやっていますが、今回の事件での外国人不法就労となった舞台は、こちらの育成場でのこと。
本当ならこうした事実も新聞やニュースで取り上げてほしいところですが、こういうところまでは取り上げていませんから、ここからはその舞台裏についても書いていきます。
競走馬の生産は非常にリスクの大きく、種付をするにも多額の種付料がかかりますし、その種付についても、色々な支払方法がありますが、最近では種付料の前払いが多くもなってきています。
つまり資金に余裕のある生産者であれば、高額種牡馬との配合ができますが、資金難の生産者は良い種牡馬との種付は叶わず、安い種牡馬との配合で、生まれてくる仔も高値では取引されず、いわばデフレスパイラルのような状態になってしまいます。
そうしたリスクを回避、また生産の赤字を育成場で補っている牧場も多く、この大塚牧場もそうした背景があって、育成場での収入増を図ろうとして、今回の不法就労に繋がったのでしょう。
また、この事件が発覚した背景も新聞などでは殆ど書かれていませんが、大塚牧場のニュージーランド国籍の育成調教師が、ネット上で月給25万円としての求人広告を出し、実際は7万円での月給しか渡していなかったとのこと。
そして就労ビザの取得では経費がかかるために、観光ビザで入国させて牧場での仕事をさせていたとのことですが、牧場の経営が苦しいためにとった行動なのでしょうが、今回の事件発覚で、育成場に競走馬を預ける馬主も他の育成場へ競走馬を移すことになるのは確実ですし、牧場主と牧場長の逮捕ともなると、経営は勿論ですが、生きている競走馬の世話は毎日欠かせないものですし、ひょっとすると今回の事件がきっかけで廃業に繋がることになるのかもしれません。
明るい馬産地の話題ならともかく、こうした事件のニュースは地元に住む競馬ファンとしては非常に残念かつ悲しい出来事です。
2007年05月23日
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