人間関係や社会的立場を捨て、新たな環境で別の人間として生き直す失踪者。彼らはいかに生き、何を考えているのか。当事者や残された人々に取材し、失踪の理由から実行の手順、現在の生活までを綴る。
失踪の赤裸々な事情を経験者たちが大いに語る!失踪…それは現在の人間関係や社会的立場を捨て、新たな環境で別の人間として生き直すことである。一見するとわれわれの日常から縁遠いように思われる失踪だが、現在日本の行方不明者は年間9万人、およそ1000人に1人にのぼる。本書はそんな近くて遠い存在である行方不明者や残された人々に取材し、失踪の理由から実行の手順、現在の生活までの一部始終を記した本である。失踪者はいかに生き、何を考えているのか?人生がつらい、逃げたいと思ったことが一度でもある人に捧げる、失踪のリアルを通じて生きづらさと向き合う術を考え直す新しい人生論にして幸福論。
本書は、日本で年間約9万人にのぼる行方不明者というテーマに切り込み、自らの意志で「失踪」を選んだ人々の壮絶な実態に迫ったルポルタージュ。警察の失踪統計や「失踪ビジネス(夜逃げ屋)」の実態、家族の証言などをもとに、逃げた人々の現実を多面的に描き出しており、淡々とした筆致ながら、センセーショナルな描き方を避け、逃げた人たちの声をそのまま伝える構成が印象的です。失踪を善悪で断じるのではなく、現代社会の「生きづらさ」の果てにある、もう一つの人生の形をルポを通じて深く考察させてくれる一冊でした。
【満足度】 ★★★★

