初代会長の中畑清、FA制度導入の立役者・岡田彰布、球界再編問題で奮闘した古田敦也、東日本大震災時に開幕延期を訴えた新井貴浩、現会長の曾澤翼など歴代選手会長に聞く、日本プロ野球選手会の存在意義とは。
今から40年前の1985年11月に設立された「労働組合日本プロ野球選手会」。一見、華やかに見える日本プロ野球の世界だが、かつての選手たちにはまともな権利が与えられておらず、球団側から一方的に「搾取」される状態が続いていた。そうした状況に風穴をあけたのが「労働組合日本プロ野球選手会」であった。大谷翔平選手がメジャーリーグで活躍する背景には、彼自身の圧倒的な才能・努力があるのは言うまでもないが、それを制度面で支えた日本プロ野球選手会の存在も忘れてはならない。選手たちはいかに団結して、権利を獲得していったのか。当時、日本プロ野球の中心選手として活躍しながら、球界のために奮闘した人物や、それを支えた周りの人々に取材したスポーツ・ノンフィクション。
本書は、1985年に労働組合として設立された日本プロ野球選手会が、どのようにして球界の旧態依然とした体制に挑み、選手の権利と地位を確立していったのかを詳細に追ったノンフィクション。当時の日本プロ野球界は、選手側が立場が弱く、年俸交渉、契約の自由、引退後の待遇など、すべてにおいて球団側の意向が優先されており、単なる親睦団体に過ぎなかった選手会が、一部の選手たちを中心に組織を労働組合として法人化するという革命的な決断に至るまでの経緯を、当事者の証言を交えてリアルに描いています。プロ野球という華やかな世界の裏側にあった「労働争議」と「組織改革」の物語を描き切った作品で、野球ファンだけでなく、組織論、労働問題、そして困難に立ち向かう人間のドラマに関心のある読者にも深く響く一冊です。
【満足度】 ★★★★☆

