2029年、北京。常軌を逸した速さで進行する癌で有力政治家の息子が死亡し、同様の癌での死亡事例が見つかる。これは偶然なのか? 刑事偵査総隊の刑事アーロンは捜査を始めるが…。『ミステリマガジン』連載を加筆修正。
2029年、北京。常軌を逸した速さで進行する癌で有力者の息子が死亡した。これは仕組まれた連続殺人なのか? 刑事偵査総隊の刑事アーロンは、ウイグル人の遺伝子エンジニア、マリクとともに捜査を行なう。やがてアーロンとマリクは、生命科学上の闇に直面し……。
本書は、ヒトゲノム編集という現代的なテーマを扱った、骨太な近未来ディストピア小説。近未来の香港を舞台に、政府要人の子息の謎の死を発端に、警察官と遺伝子エンジニアが協力して、密かに行われている遺伝子操作の闇を暴こうとするストーリーで、科学的な側面だけでなく、陰謀論や正義感、人間の業といった要素も絡み合いハードな展開は、従来の岩井圭也作品とは一味違う物語でしたが、読み応えがありました。
【満足度】 ★★★★

