2026年01月30日

『人口半減ショック 地域の新戦略 賢く縮み乗り越える』田中秀明




 30年間続けてきた地方創生では人口の回復が見込めない。人口半減という現実的な想定のもと、国・地方がとり得る施策を提示する。

 地方創生をゼロから検証。「鹿島平和研究所プロジェクト」を書籍化。医療・福祉、地方庁構想、財政問題、地方政治など現実的な想定のもと、地方の自律策を多面的に提示する。

 本書は、従来の「地方創生」の限界を指摘し、首都圏を除く多くの地域で今後30年間で人口が半減するという厳しい現実を直視した上で、「賢く縮む」ための現実的で具体的な戦略を提示する提言書です。経済学、財政学、政治学などの第一線で活躍する専門家たちが、マクロとミクロの両視点から改革案を提示し、「分権化か集権化か」といった二項対立や、急進的な政策ではなく、現実的な解決策を科学的に分析している点が特徴です。現状のままでは行政サービスの維持が危うくなるという危機感を共有し、様々な改革案は現実的にも参考になる一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2026年01月29日

『修羅場の王 企業の死と再生を司る「倒産弁護士」142日の記録』大西康之




 真の再生のためには法的整理を恐れるな。JALの死と再生を陰で主導した倒産プロフェッショナルを描いたく劇的ノンフィクション。

 2兆3200億円という巨額負債を抱え2010年1月19日JALは会社更生法の適用を申請し倒産した。だが、わずか2年8ヶ月後には過去最速で再上場を果たす。この歴史的再生劇を巡っては「稲盛和夫という名経営者による奇跡」あるいは「多額の公的資金を投入した偽りの再生」という対極的な二つの物語が流布している。しかしその背後には、倒産・再建プロフェッショナルたちの壮絶な戦いがあった。その主役こそ「修羅場の王」瀬戸英雄である。マイカル、ヤオハン、SFCG(商工ファンド)など大型企業破綻の修羅場を数多く指揮し、JALでも再建司令塔・管財人統括を務めた瀬戸は、「会社更生法」という伝家の宝刀を抜き、既得権益にまみれた巨大企業の宿痾を断ち切った。JAL問題に関わってから会社更生法申請までわずか142日。銀行、財務省、政治家、労組……数々の「難敵」を相手に法的整理に基づく倒産→再生を目指して八面六臂の働きをした瀬戸は、後に稲盛をして「彼がいなければJAL再生はなかった」とまで言わしめる。本書では瀬戸が初めて語る赤裸々な証言を軸に、当時の関係者への膨大な取材も交え、巨大企業の死と再生を描きだす。民主党への政権交代、リーマンショックなど激動の時代を背景に、読み物としても抜群の面白さ。さらには、倒産をタブー視する日本社会に対し「挑戦すれば失敗もする。失敗したら、ケジメをつけてやり直せばいい。そのために倒産法がある。正しく真摯に取り組めば、復活は可能である」とのメッセージを届ける。

 本書は、2010年に巨額の負債を抱えて会社更生法の適用を申請した日本航空(JAL)の再生プロセスを、その裏側で指揮を執った「倒産弁護士」瀬戸英雄氏の証言を軸に描いたビジネス・ノンフィクション。2兆3200億円という巨額負債を抱えながら、わずか2年8ヶ月後に異例の速さで再上場を果たした奇跡の裏側には、倒産プロフェッショナルたちの法と度胸を武器にした闘いがあり、巨大企業の倒産という修羅場の現実を克明に再現し、関係者の赤裸々な証言をもとに、一人の倒産弁護士とJAL社員たちが繰り広げた「死」と「再生」の闘いの日々を臨場感を持って追体験できる、骨太なノンフィクションです。

【満足度】 ★★★★☆
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2026年01月28日

『飛越(ジャンプ)』馳 星周

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飛越 [ 馳星周 ]
価格:2,090円(税込、送料無料) (2026/1/28時点)




 落馬事故以来荒んだ日々を送る元花形騎手。彼は、障害競馬界の絶対王者に勝ってほしいという娘の願いを聞き、センスを見出した馬と共に、戦いに挑む。

 落馬事故以来荒んだ日々を送る元花形騎手の円谷翔吾は、ある日、娘の願いを聞く。「ルプスデイに勝って」。比類なき強さで障害競馬界の絶対王者の座に君臨するサラブレッド、ルプスデイ。円谷はセンスを見出した馬、キアーロディルーナと困難な戦いに挑む。一方、ルプスデイの主戦騎手の森山翔吾は、再起をかける男の姿を静観する。だが、王者には老いの影が迫っていた。二頭の競走馬とふたりの翔吾。譲れない勝負の行方は!?

 本書は、競馬の中でも「障害競馬(ジャンプ競走)」をテーマにした人間ドラマです。平地競走に比べて注目されにくい障害競馬の厳しい現実と、そこに身を捧げる人々の情熱と真摯な思いが、徹底的に描写されており、馬が障害物を飛び越える瞬間の臨場感あふれる描写は圧巻で、競馬を知らない読者でもその迫力に引き込まれます。騎手だけでなく、調教師や厩務員など、競馬に関わる人々の馬にかける愛情、葛藤、そして覚悟が丁寧に描かれ、物語に奥行きを与えており、挫折からの再起、ライバルとの宿命的な対決、そして人馬一体となった熱い絆の物語として、胸を熱くする感動作です。

【満足度】 ★★★★
ラベル:馳 星周 飛越
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2026年01月27日

『コミュニティ経営の教科書』高田優哉/黒田悠介




 ロイヤルティ向上、ビジョン浸透、イノベーションetc.再現性高く実現する!業界不問・模倣不能の最善手。立ち上げから事業貢献まで完全解説。

 コミュニティ運営は事業成長の秘策。人と人のつながりがAI時代の企業資産になる!市場の成熟、人口減少、消費者の影響力増大といった背景から、各社は競合他社に代替されないように、顧客や従業員との深い「つながり」を築く必要性に迫られています。その最善手はコミュニティをつくり、運営することです。顧客とともにつくるコミュニティは、LTV向上、顧客発のイノベーション、顧客の相互サポートによるコスト削減など、収益向上に直結します。従業員とともにつくるコミュニティはエンゲージメント向上、ビジョン・パーパス浸透、社内創発を促すなど、企業体質の改善に効果的です。では具体的にどのようにしてコミュニティをつくればいいのでしょうか。本書ではコミュニティをつくるための戦略の描き方から体験設計、システム構築、集客、成果測定、運営までを一気通貫で解説します。「コミュニティって儲かるの?」「ゼロからどうやって人を集めるの?」「運営って属人的ですよね?」といった疑問を解消し、実践につなげる一冊です。

 本書は、コミュニティ運営・マネジメントの専門企業であるCRファクトリーの知見を基に、コミュニティを企業の競争優位性につなげる新しい経営戦略を体系的に解説した実用書です。現代の経営者やリーダー、新規事業担当者にとって、「コミュニティ」を単なるブームではなく、企業価値を高めるための戦略的な武器として捉え直すための「教科書」となる一冊で、つながりを重視する新しい時代の経営のあり方に興味を持つビジネスパーソンに特におすすめできます。

【満足度】 ★★★★
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2026年01月26日

『今日もワインの香りがするほうへ』坂元康宏

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今日もワインの香りがするほうへ [ 坂元 康宏 ]
価格:1,540円(税込、送料無料) (2026/1/26時点)




 ビール党だったのに気づけば年間400本飲んでいた!ワイン沼にどっぷりはまってしまった社長が綴るワインの魅力・知識が詰まったエッセイ集。

 本書は、ワインの知識や選び方を解説する実用書であると同時に、著者のワインとの出会いと、それによって豊かになった人生を綴ったエッセイです。著者は元々ビール好きでしたが、仕事で訪れたニュージーランドで偶然口にした一杯の白ワインに衝撃を受け、その美しさと深みに心を奪われたことから、ワインの世界にのめり込んでいきます。その後、世界各地(フランス、イタリア、スペイン、日本など)のワインを探求し、ついには専業主婦からワインのインポーターへと転身するほど、人生が変わるきっかけになった物語が綴られています。ワインは、単に味わうだけでなく、「一杯のグラスに込められた物語」を知ることで、日常の食卓を特別なひとときに変え、人生に豊かな彩りをもたらすと語られており、ワインを通じて広がる人との繋がりや、お気に入りの一本を誰かと分かち合う喜びが、本書の大きなテーマの一つにもなっています。

【満足度】 ★★★★
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2026年01月24日

『オグリキャップ 日本でいちばん愛された馬』江面弘也




 オグリキャップとその関係者達を現役当時から取材し、『優駿』、『Number』などで名記事を執筆した江面弘也が贈る、珠玉のオグリキャップ・ノンフィクション。

 生誕40周年。珠玉のオグリキャップ・ノンフィクション。うれしそうに話す武豊は、すこし間を置いて言った。「みんな、オグリキャップが好きですからね」“芦毛の怪物”と呼ばれたオグリキャップが生まれて、40年を迎えた。引退レースである1990年有馬記念の入場者数17万7779人の有馬記念レコードは、今なお破られていない。史上最大の競馬ブームを巻き起こした「日本でいちばん愛された馬」……オグリキャップとは何だったのか。オグリキャップとその関係者達を現役当時から取材し、『優駿』『Number』などで数多の名記事を執筆した江面弘也が贈る、珠玉のオグリキャップ・ノンフィクション。

 本書は、地方競馬から中央競馬の頂点へと駆け上がり、国民的アイドルとなった名馬・オグリキャップの軌跡を描いたノンフィクション。岐阜県の笠松競馬でデビューした一頭の芦毛馬が、血統的にも恵まれず、誰からも大きな期待をされなかった存在から、やがて日本中を熱狂させる伝説の馬になるまでの物語。ファンとの絆、ライバル馬との名勝負、そして最後の有馬記念で見せた奇跡の復活……そのドラマを、臨場感たっぷりに描いています。

【満足度】 ★★★★
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2026年01月23日

『アレルギーの科学』森田英明/足立剛也




 今や国民病のアレルギー。患者増加の謎に迫る有力仮説からメカニズム、最新研究まで、「今知るべき知識」をまとめた決定版!

 アレルギーを正しく知り、「見えない不安」を「見える安心」に!花粉症、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎…アレルギー疾患は今や「現代病」といわれています。私たちの体を守る免疫はなぜ無害なはずのものに過剰に反応するのでしょうか。その「しくみ」をわかりやすく解説するとともに、近年の患者増加の背景や疾患ごとの特徴、さらに病態解明や治療法の開発の研究最前線まで、「今知るべき情報」をまとめた一冊。

 本書は、アレルギーの仕組みと増加の背景を、科学的にわかりやすく解説した一冊です。花粉症や食物アレルギー、ぜんそくなどの症状がどう起きるのか、免疫細胞の働きや腸内環境との関係、さらには清潔すぎる生活習慣や環境変化がどのように影響しているかを、最新の研究に基づいて説明し、図解や身近な例が多く、医療関係者だけでなく一般読者にも理解しやすい構成です。アレルギーに悩む人はもちろん、「なぜ現代人に増えているのか?」を知りたい人にとって、科学的な視点から納得できるヒントが得られる一冊です。

【満足度】 ★★★★
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2026年01月22日

『私たちに残されたわずかな永遠』乾 緑郎




 月面の居住施設「ルナアーク」と、奇妙な社会性生物と人が共存する町「ドゥマレ」。2つの世界が交差するスチームパンク×SF小説!

 時は2131年。13歳のアリサは「ルナアーク」と呼ばれる、月面の居住施設に住んでいた。アリサが5歳の頃、両親とともに地球から移住してきたのだ。地球からの転校生、ケンジと仲良くなるが、その矢先、とんでもない事件が起こり…。一方、教会暦918年。ドゥマレの町では「アッザ」と呼ばれる、奇妙な社会性生物と人間が共存していた。この町に住む13歳の少女、メルはアッザの捨てたゴミの山から発見された捨て子だった。アリサとメル、ルナアークとドゥマレ―交わるはずのない2人と2つの世界が交錯したとき、戦慄する事実が明らかに…。

 本書は、月という未来世界を舞台に、13歳の少女・アリサと転校生ケンジという二人の交流を通じて、「永遠とは何か」「限られた時間の中でどう生きるか」という普遍的な問いを語る作品です。SF的な設定(未来、月居住施設、地球からの移住)を背景に、ヒューマンドラマが展開していく物語で、やや静かな展開・心理描写に物足りなさも感じましたが、余韻の残る作品でした。

【満足度】 ★★★☆
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2026年01月21日

『臨終トーナメント』やがみ

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 舞台は、とある離島にある超高級老人ホーム。ホームに暮らすのは、さまざまな分野で成功を収めた上級シニアたち。彼らが人生最後に求めるのは完璧な死を迎えること。老人たちの「禁断のレクリエーション」が幕を開ける!

 本書は、老人ホームという一見“静かな終末の場所”を舞台にしながら、そこに住む成功者たちが「人生最後」に挑む過激な「トーナメント」という構図を通じて、死・価値観・富・名誉・倫理といった重いテーマを鮮烈に描いた作品。とある離島にある超高級老人ホーム「クォールハウス」を舞台に、入居者は地位・名誉・金などを手にしてきた上級シニアたちが暮らしており、施設では人生の終末を賭けるレクリエーション、「トーナメント」が開かれるという設定で、インパクトが強いため、好き嫌いは分かれるかもしれませんが、刺激的・思考を呼ぶ読書体験を求めるなら十分に魅力的な一冊といえます。

【満足度】 ★★★★
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2026年01月20日

『百年の時効』伏尾美紀

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 1974年に起きた一家殺傷事件。未解決のまま50年経ち、この事件の容疑者の一人が変死体で発見された。真相への手がかりは、刑事の捜査ノート。3つの時代、4人の刑事。時を超えて結びついた、執念の捜査が始まる…。

 嵐の夜、夫婦とその娘が殺された。現場には4人の実行犯がいたと思われるが、捕まったのは、たった一人。謀略、テロ、宗教問題…警察は犯人グループを追い詰めながらも、罠や時代的な要因に阻まれて、決定的な証拠を掴み切れずにいた。50年後、この事件の容疑者の一人が、変死体で発見される。現場に臨場した藤森菜摘は、半世紀にも及ぶ捜査資料を託されることに。上層部から許された捜査期間は1年。2025年、昭和が始まって百年にあたるこの年までに犯人を捕らえることはできるのか?真相解明に足りない最後の一ピースとは何か?頭脳派の鑑識志望、敵の多いマル暴、閑職に追いやられた捜査員、新米の女性刑事。昭和、平成、令和。四人の警察官が三つの時代で捜査を繋ぎ、一つの真実を追い求める。

 本書は、昭和、平成、令和の三時代にわたる壮大なスケールで未解決事件を追い続ける、骨太な警察小説。昭和49年、東京・佃島で発生した一家惨殺事件の主犯は逮捕されたものの、現場から示唆される共犯者は見つからず、時効が止まったまま、長きにわたり未解決の闇に包まれます。事件発生時から令和の現代に至るまで、4人の個性的な刑事が、手書きの捜査ノートをバトンとして受け継ぎ、執念深く真相を追い続け、単なる殺人事件の謎解きに留まらず、動機には戦前・戦中・戦後の厳しい時代背景、満州国での出来事、ヤクザ、銀行、そして戦後の孤児たちの境遇などが複雑に絡み合い、物語に重厚な深みを与えています。複雑に絡み合った人間関係や事件の謎が、刑事たちの地道な捜査によって丁寧に解きほぐされていく過程は、読み応えがありました。

【満足度】 ★★★★
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2026年01月19日

『ブラックスワン』相場英雄

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 台北で暮らしている元自衛官の城戸護に、娘から依頼が入った。友人の日本人女性研究者を沖縄に連れて行ってほしいという。彼女を台北市内に案内したところ、何者かが狙撃してきて…。『小説幻冬』連載を加筆修正。

 台湾で暮らし、警護の仕事を個人で請け負っている元自衛官の城戸護に、娘から依頼が入った。友人の福本真衣を沖縄に連れて行ってほしいというのだ。日本と台湾のハーフの真衣はカナダの大学院で応用化学を研究する27歳。裕福な父親が心配性らしい。渋々引き受けた城戸が真衣をひとまず台北市内に案内したところ、何者かが彼女を狙撃してきた。間一髪で逃れ、人脈を頼りにプライベートジェットを使って沖縄に入ったが、二人は中国政府の接触を受けることになる。さらに城戸は警視庁公安部にもマークされていることに気づく。そして、傍若無人なアメリカも案の定介入して…。

 本書は、次世代技術を巡る「日中米のスパイ合戦」と「逃亡劇」を描いた国際ハードボイルド・サスペンス。化学研究者、ハーフ・多国籍都市(台北)、中国・日本・台湾の関係というクロスボーダーの舞台がスリリングで、国際スパイ・ハイテク戦争・ボディガード護衛というスリリングな設定をベースに、現代アジアを舞台にした“見てはいけない世界”を描いた興味深い作品で、テンポ良く一気に物語の中へ引き込まれ、リアリティとエンタメ性が高く、非常に面白い作品でした!

【満足度】 ★★★★☆
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2026年01月17日

『トホホな日本史人物伝 13歳からのしくじり学』渋谷申博




 学びながら元気になれる!?スゴい人たちのスゴくない話。やるせなくても生き抜いた41人。時代を動かしたあの人も、スゴい作品を遺したあの人も。歴史がもっと身近になる1冊。

 悪女と呼ばれる北条政子、早逝した維新の英雄・坂本龍馬、明るいキャラではなかった一休宗純…。やるせない、切ない、情けない。そんなトホホ体験を生き抜いた日本の歴史上の人物を紹介する。歴史がもっと身近になる本。

 本書は、日本史で名前をよく聞く偉人・著名人たち41人のトホホな体験を集めた人物伝。大きく4章に分かれており、それぞれ「歴史を動かした人」「賢者」「贅沢した人」「作品を創った人」といったテーマで人物が紹介されており、歴史をより親しみやすく、身近に感じられるように構成されています。

【満足度】 ★★★★
ラベル:渋谷申博
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2026年01月16日

『調査ルポ この日本の片隅で』鉄人社編集部




 バズらない人生、300人それぞれの事情。

 本書は、雑誌『裏モノJAPAN』編集部による調査ルポ集で、ごく普通の人々300人の暮らしや本音を、徹底的な取材でリアルに切り取った一冊です。政治や経済といったマクロな視点ではなく、個々の生活レベルでの不満や、社会に対する諦めなど、庶民の肌感覚がルポを通して伝わってきます。

【満足度】 ★★★★
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2026年01月15日

『中華くらげ、とびっ子を世に出した男』岡 康人

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中華くらげ、とびっ子を世に出した男 [ 岡 康人 ]
価格:1,650円(税込、送料無料) (2026/1/15時点)




 「中華くらげ」をはじめ、数々のヒット商品を生んだ、大栄フーズ(株)取締役会長・岡康人氏の軌跡と経営哲学をまとめた一冊。

 日本のみならず世界の食卓に広く浸透している「中華くらげ」や「とびっこ」。生みの親が、シーフーズ惣菜のパイオニア企業・大栄フーズ(株)の創業者であり、現取締役会長の岡康人氏です。本書は、ゼロからヒット商品を創出し続けた岡氏の軌跡をたどりながら、常に時代の波を読み、逆境を跳ね返す経営哲学をまとめた一冊です。「資金も知識もない中、どうやって会社を興したのか?」、「“ニッチ市場”でいかに競わずして稼ぐのか?」、「なぜ“歴史に学び、オンリーワンをめざす”姿勢が成功につながるのか?」、「最大の危機……東日本大震災をどう乗り越えたのか?」何度も訪れた危機を乗り越え、挑戦を続けた岡氏の言葉と実践は、起業家・後継者・経営層すべてにとって「これからの経営」に向き合うヒントとなります。

 本書は、惣菜「中華くらげ」や「とびっ子」を世界に広めたパイオニア企業、大栄フーズ株式会社の創業者・現取締役会長である岡康人氏の軌跡と経営哲学をまとめた一冊です。当時だれも見向きもしなかった素材や、捨てられていた食材を商機に変えた発想力と技術力、資金も知識もない中での創業秘話、「ニッチ」で儲けるための戦略、世界市場を切り拓いた営業戦略(地政学を活用)、そして東日本大震災などの最大の危機をどう乗り越えたかが書かれ、時代ごとの逆境を跳ね返してきたビジネスのヒントが凝縮されています。

【満足度】 ★★★★☆
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2026年01月14日

『天使と歌う』愛野史香

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価格:1,760円(税込、送料無料) (2026/1/14時点)




 才能のカムバック……自分の才能にすら気づいていなかった高校生の大夢(ひろむ)が、真のチェリストになるために、世界に挑戦する!

 高校3年生の雨宮大夢は、介護福祉士になる進路を考えていた。近所に住むクロアチア出身の元世界的なチェリスト、ルカ・デリッチ先生を支えるためだ。身体が不自由なデリッチは、妻の故国日本に隠棲しており、大夢は小学生の頃から、先生の『無伴奏チェロ組曲』に憧れてチェロを習っていた。そんなある日、クロアチアから「ルカ・デリッチ国際コンクール」を新設したいという話が届く…異例の音楽コンクールに訳ありの“敗北者”たちが集い、それぞれの想いを懸けて熾烈な戦いを繰り広げる。心の琴線にふれる感動&スリリングな音楽小説、ここに誕生。

 本書は、チェロのコンクールを舞台に、若き演奏家たちの成長と人間ドラマを描いた青春音楽小説。才能に気づいていなかった高校生が、人生の岐路に立ち、チェロという道を通じて自分自身を再発見していく物語が、音楽のリズムと共に心に残ります。特に敗北からの挑戦というテーマ、師と弟子という構図、そして音楽の響きという視覚でなく聴覚に訴える描写が魅力です。指導者との絆、ライバルとの競争、過去の音楽への執着や嫉妬心といった人間の感情が複雑に絡み合う、スリリングで読み応えのある展開が魅力でした。

【満足度】 ★★★★
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2026年01月13日

『じゃないほうの歌いかた』佐々木愛

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 落合南長崎の独立系カラオケ店「BIG NECO」では、今日もドラマが巻き起こる。うだつのあがらない凡人たちが起こす、ちょっとした人生の奇跡ときらめきの物語。『オール讀物』掲載に書き下ろしを加え単行本化。

 本書は、東京・落合南長崎の独立系カラオケ店「BIG NECO」を舞台に、いどこか冴えない「凡人」たちの人生の断片を描いた連作短篇集。読むと思わずカラオケに行きたくなる、心温まる応援ソングのような短編集で、カラオケという場所を通じて、ささやかな奇跡やきらめきを経験していく物語です。

【満足度】 ★★★☆
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2026年01月12日

『鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス』伊東 潤

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鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス [ 伊東 潤 ]
価格:2,420円(税込、送料無料) (2026/1/12時点)




 戦後の経済復興の礎となった「大和」建造の英知と情熱。54名の殉職者を生むこととなった大プロジェクトに挑んだ青年たちは何を夢見ていたのか? 歴史小説の第一人者が描く青春群像小説。『南日本新聞』等掲載に加筆・修正。

 希望の光か、時代の徒花か……。第二次世界大戦目前、大艦巨砲主義から航空主兵主義へと戦略思想が移ろうなか、米英海軍に対抗するため計画された世界最大最強の戦艦建造。絶対不可能と目され、54名の殉職者を生むこととなった大プロジェクトに挑んだ青年たちは何を夢見ていたのか? 戦後80年を機に、歴史小説の第一人者が万感の想いを込めて描く畢生の大作!

 本書は、戦艦「大和」の建造という巨大な国家プロジェクトに青春を賭けた、若き技術者たちの群像劇。技術者たちの視点から「大和」建造の舞台裏が描かれ、5人の若き造船技術者たちの夢と苦悩、54名の殉職者を出しながら進められた大プロジェクトの中で、直面した技術的な難関や、海軍上層部との摩擦と葛藤、時代に翻弄された技術の理不尽さも深く描かれた作品です。

【満足度】 ★★★★
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2026年01月10日

『こうふくろう』薬丸 岳

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こうふくろう [ 薬丸 岳 ]
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 大学生の芹沢涼風は、池袋の公園で、同じように孤独に苛まれ行き場をなくした者たちに出会う。血がつながっていなくても強い絆で結ばれた「本物の家族」を作りたいと思い、親しくなるが…。『週刊ポスト』連載を加筆・修正。

 ただ「本物の家族」になりたかった…。2020年5月、大学生の芹沢涼風はコロナ禍の影響で息が詰まりそうになる毎日を過ごしていた。ある日、彼女が池袋の公園を訪れると、そこには同じように孤独に苛まれ、行き場をなくした者たちがいた。血がつながっていなくても、戸籍上は同じ家族でなくても、強い絆で結ばれた「本物の家族」を作りたい―。涼風は親しくなった者たちと「こうふくろう」を立ち上げる。しかし、いつしか想像を超えて巨大になった集団の内部では、日常的に犯罪行為が繰り返されるようになっていく。社会派ミステリの名手、作家生活20年の集大成。人々の心に巣くい、世に蔓延る「闇」の根源を炙り出す戦慄のクライム巨編!

 本書は、コロナ禍の閉塞感の中で居場所を失った若者たちが、血縁に代わる「本当の家族」を求めて結成した団体「こうふくろう」を巡る、社会派ミステリ。家族とは何かという根源的な問いを、現代社会の闇と絡めて深く掘り下げており、物語には、様々な辛い境遇や過去を背負った多数の人物が登場し、ストーリーをスリリングにするためのギミックとして、時系列が前後しながら物語が進行する部分が多少読み難さを感じましたが、現代社会のひずみを鋭く描き出した作品です。

【満足度】 ★★★★
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2026年01月09日

『英雄の輪』真藤順丈

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英雄の輪 -HERO’S ISLAND Another Story- [ 真藤 順丈 ]
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 異例の3冠受賞『宝島』につづく物語、ついに発売!「島にはたくさんの英雄がいた」 時代も年齢も多種多様な「戦果アギヤー」の姿を描く6つの「宝」のはなし。

 本書は、『宝島』のアナザーストーリーを描いた6編の中編集。「戦果アギヤー」や「ナナサンマル(730・車両の左側通行への切り替え)」など、沖縄の歴史を象徴する出来事や、そこで生きた人々の「戦果アギヤー(成功を掴むこと)」を描いており、『宝島』を読まれた方にとっては、より深く沖縄の裏側に触れることができる作品であり、登場人物たちがその後の困難にどう立ち向かったのかを知る作品です。

【満足度】 ★★★★
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2026年01月08日

『帯広昭和革命1952』大嶋賢洋

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帯広昭和革命1952 [ 大嶋 賢洋 ]
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 戦後の混乱期、北の地の「悪所」で、女たちの革命が起きていた。帯広出身の著者が満を持して活写する、「かつてありえたかもしれない」戦後昭和秘史。

 1952年冬、北辺の街・帯広で、色街の女たちの反乱が起こる。自らを縛る不法な借金と、そのために身を売る女たち。この不条理に抗って彼女たちは自由のための旗を振った。時は朝鮮戦争のさなか、この女たちの反乱に、様々な立場の男たちの陰謀が絡みつく。「帯広革命都市」宣言。侵攻する北朝鮮特殊部隊を阻止するため、地元の復員兵だった男たちは再び雪原で銃をとる。反乱の末に辿り着いた女たちが見たものは……。

 本書は、戦後の北の大地を舞台に、自由を求める女性たちの情熱と、国家やイデオロギーの陰謀が交錯する物語。女性の地位向上を目指す運動を軸に、ソ連の陰謀や元復員兵の戦いが重なり合う複雑かつ重みのある作品で、騙し合い、団結、疑心暗鬼が渦巻く北の大地を描いています。

【満足度】 ★★★★
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